「Struts 2」脆弱性狙うアクセスが継続中 - 当初の暫定対策だけでは危険
3月初旬に「Apache Struts 2」の深刻な脆弱性が判明したが、5月以降も同脆弱性を狙うアクセスが観測されている。発表から約2週間後に、より広範囲で脆弱性の影響を受けることが判明した経緯もあり、公表当初の暫定的な緩和策では被害を受ける可能性があるとして、警察庁が注意を呼びかけている。
問題の「CVE-2017-5638」は、ウェブアプリケーションのフレームワーク「Apache Struts 2」がデフォルトで利用する「Jakartaマルチパートパーサー」において、リモートよりコードの実行が可能となる脆弱性。
3月6日に公表された際は、HTMLヘッダにおける「Content-Type」の処理から脆弱性を突くことが可能であるとされたが、同月20日には、「Content-Disposition」「Content-Length」などのHTMLヘッダを利用し、同脆弱性を悪用できることが判明している。
警察庁によると、同庁の観測システムでは、当初明らかとなった「Content-Type」の処理を狙った攻撃活動と見られるアクセスを3月9日に観測。3月後半にピークを迎え、以降は減少しているが、4月以降も継続してアクセスを観測しているという。

「Content-Type」ヘッダより「CVE-2017-5638」を悪用する攻撃活動と見られるアクセスの観測状況(グラフ:警察庁)
(Security NEXT - 2017/05/31 )
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