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【税理士×Security NEXT】マイナンバーを扱う現場の課題とセキュリティ対策 第2回厄介なのは「従業員家族」のマイナンバー

実は大きな負担、従業員家族からのマイナンバー収集

武山:税理士の方は、どのように管理するのですか?

登坂:2つの方法があります。ひとつはパソコンを使う方法。企業から受け取ったデータを、パソコンの会計ソフトで管理します。私はJDLのソフトを使っていますが、これはクラウドに対応していて、私が入力したものは、JDLのクラウドサービス上で管理されます。

もうひとつは、紙で管理する方法。パソコンが普及しても、やはり紙の書類を使っている会社は残っています。その場合は、鍵付きの金庫で書類を管理します。

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武山:総務を担当する方の作業の手間としては、もっとも負担が重い作業は何でしょうか?

登坂:やはり従業員の家族の方からマイナンバーを収集することだと思います。扶養家族のマイナンバーは従業員を通して集めることになります。いっぽう年金の第3号被保険者(従業員の配偶者)の場合は、企業が従業員の配偶者のぶんを集める必要があるのですが、現実的ではないので、従業員に配偶者のぶんの収集を委託することになるでしょう。

いずれにせよ家族のマイナンバーは従業員が集めて、企業に提出する形になります。しかしマイナンバー通知カードに書かれた12桁の番号を、会社に提出するための書類に転記するときに、書きまちがいを起こす確率も少なくないと見ています。しかも企業では誤りかどうかを気付くことは難しいでしょうから、年末調整の際に役所に書類を出したときに、「番号が違っている」と指摘されるケースが出てくるのではないかと思っています。

すると、今度はその修正の対応が必要になります。このあたりは実際に、制度が始まってみないとわからないところもありますが、かなり面倒になるのではないかと予想しています。

(Security NEXT - 2016/01/14 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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