目立つ「HeartBleed」関連インシデント - ラック報告
ラックによれば、2017年第2四半期はSOCにおいて「重要インシデント」の検知が増加しており、特に「HeartBleed」関連の検知が目立ったという。
同社がセキュリティオペレーションセンター「JSOC」で検知した攻撃を分析、取りまとめたもの。「緊急事態のインシデント」と「攻撃が成功した可能性が高いインシデント」を「重要インシデント」とし、傾向を調べた。
同社が2017年第2四半期に検知した「重要インシデント」は353件。前四半期の332件を上回った。そのうちインターネット経由の攻撃で生じた「重要インシデント」は128件。前四半期の164件から減少している。
前四半期に悪用が目立った「Apache Struts 2」の脆弱性だが、今回検知されたインシデントは10件にとどまり、前四半期の31件から約3分の1に縮小した。
一方、「OpenSSL」の脆弱性「HeartBleed」を悪用するインシデントが、前四半期の4件から23件に増加。特に4月下旬から5月上旬にかけて検知されたという。
中国の特定IPアドレスを発信元をとした攻撃では、「HeartBleed」以外にも、「Apache Struts」や「Joomla!」の脆弱性を狙った攻撃が展開されていたという。
同四半期にネットワーク内部から検知した重要インシデントは225件で、前四半期の168件を上回った。
もっとも多かったのは、オンラインバンキングのアカウント情報を窃取する「Ursnif」の感染で50件にのぼる。同マルウェアは、「Gozi」「Snifula」「Papras」といった別名でも知られている。
また、「ET-Trojan」の感染は前四半期の3倍にあたる34件を検知。ランサムウェア「WannaCrypt」の感染時に発生する「TCP445番ポートへの不審な通信」も21件検出されたという。
(Security NEXT - 2017/09/26 )
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