2024年4Qのインシデントは約8%増 - 「FortiManager」脆弱性の侵害事例も
JPCERTコーディネーションセンターは、2024年第4四半期に報告を受けたインシデントの状況について取りまとめた。
同センターによれば、同四半期に寄せられたインシデント報告件数は9743件。前四半期の1万797件から約9.8%減となった。
一方重複を除いたインシデント件数は5561件。前四半期の5147件から8.0%増加している。関係者などへ対応を依頼した調整件数は3597件だった。
インシデントの内容を見ると、「フィッシングサイト」が4780件。前四半期の4233件から12.9%増加した。全体の約86.0%を占めている。
フィッシングサイトの77.1%は、国内ブランドを装うケースとしており、国内ブランドで標的となった業種を見ると「金融」を装うケースが61.0%で最多。「企業(24.3%)」「通信事業者(8.1%)」「eコマース(5.3%)」で続いている。
一方海外ブランドを狙ったフィッシング攻撃は、「eコマース」が76.2%、「金融」が18.3%で、国内ブランドに対する攻撃と傾向が大きく異なる。「Amazon」を装うフィッシングサイトが6割を占めていることなども影響した。
脆弱性の探索や侵入、感染の試行などを行う「スキャン」は、前四半期の374件から約37.7%減少し、233件だった。
2024年10月にFortinetより報告された「FortiManager」の脆弱性「CVE-2024-47575」を悪用した攻撃の被害報告が寄せられている。保守運用会社が管理する「FortiManager」が侵害され、「FortiGate」のコンフィグファイルが漏洩、記載されたユーザーアカウントが悪用された事例も見られた。
「ウェブサイト改ざん」は53件で、前四半期の93件から43.0%減と大幅に縮小。商品購入時に入力されたクレジットカード情報などを窃取するため、ECサイトに不正なJavaScriptを設置されるケースが19件と目立った。
「マルウェアサイト」は36件で、25件だった前四半期の約1.4倍へと増加している。「標的型攻撃」は2件、「DoS/DDoS」は4件でいずれも前四半期から減少。「制御システム関連」は前四半期と同様に報告がなかった。
(Security NEXT - 2025/01/29 )
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