Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

「Exchange Server」脆弱性、10グループ以上が悪用か - パッチ公開前にも

「Microsoft Exchange Server」に深刻な脆弱性が明らかとなった問題で、ESETはAPTグループや犯罪組織など10以上の攻撃グループが悪用しているとの分析結果を示した。少なくとも5000台以上に侵害が広がっているという。

3月2日の定例外アップデートで修正された「Microsoft Exchange Server」の脆弱性は、少なくとも1月から脆弱性が悪用されていたことが確認されており、マイクロソフトでは、脆弱性が中国の支援を受ける攻撃グループ「Hafnium」により悪用されたとの見解を公表している。

同グループによる活動にくわえ、ESETは、セキュリティ更新プログラムがリリースされる以前より、複数グループによって脆弱性の悪用が開始されていたと指摘。パッチ公開後はさらに悪用するグループが拡大。侵害により「Webシェル」が検出されたケースは、3月10日の時点で同社が把握するだけでも115カ国以上で5000台以上にのぼり、複数グループが同じ組織を標的にしていたこともあったという。

同社の調査では2月後半より感染活動を確認しており、2月28日に別名「Bronze Butler」としても知られる「Tick」による悪用を観測。過去に用いたバックドアと非常に似たバックドアを使用していた。

さらに3月1日には「LuckyMouse」「Calypso」などが悪用されたことを観測。さらにアジアの民間企業や東ヨーロッパの政府機関を狙った攻撃を検知しており、既知の攻撃と繋がりが見られないことから、同社は一連の攻撃を「Websiic」と命名している。

20210318_es_001.jpg
「CVE-2021-26855」の悪用により埋め込まれた「Webシェル」の検知動向(グラフ:ESET)

(Security NEXT - 2021/03/18 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

「Cisco IOS XR」に複数の脆弱性 - アップデートで修正
侵入後に即攻撃するランサムウェア「Ghost」に注意 - 70カ国以上で被害
Chrome機能拡張「EXIF Viewer」の脆弱性 - 数年越しの調整
「MS 365」のログ活用、脅威検知分析を実現する資料 - 米当局
「Sophos Firewall」に複数の深刻な脆弱性 - 影響は1%未満
頻繁に悪用された脆弱性トップ15 - 多くでゼロデイ攻撃も
MS、月例パッチで脆弱性90件を修正 - すでに2件は悪用済み
8月は脆弱性19件を「悪用が確認された脆弱性カタログ」に追加 - 米当局
悪用確認済み脆弱性に4件を新規登録 - 米当局
MS、3月の月例更新で「Exchange Server」に生じた不具合に対応