Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

正規署名で検知回避する「SigLoader」 - VPN経由の標的型攻撃で悪用

攻撃の流れを見ると、VMwareの正規実行ファイルを起動すると「DLLサイドローディング」により、「SigLoader」である「vmtools.dll」がロードされ、さらに悪意ある「wiaky002_CNC1755D.dll」を読み込む。

「wiaky002_CNC1755D.dll」には「Windows 10」で利用される「pkeyhelper.dll」のファイルメタ情報やPDBファイル情報が含まれ、同ファイルが改ざんされたものと見られる。ただし、今回のケースについては、コード署名の有効期限が2019年7月27日に失効していた。

また「wiaky002_CNC1755D.dll」の起動後に生成される「c_apo_ipoib6x.dll」についても「Windows 10」で利用される「wintrust.dll」を改ざんして作成されたものと見られ、正規のコード署名が含まれる。

攻撃における最終的なペイロードとしては、外部のコマンド&コントロールサーバと通信し、データを受信して実行する機能を備える「DelfsCake」「GreetCake」など3種類が確認された。これらペイロードがどのようなマルウェアを取得し、実行するかはわかっていない。分析を行ったラックでは情報収集を目的とした諜報活動の一環ではないかと見ている。

20201203_la_001.jpg
「SigLoader」による攻撃の流れ(図:ラック)

(Security NEXT - 2020/12/03 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

セキュリティ分野の総務大臣奨励賞、2名2団体を選出
委託先がサポート詐欺被害、個人情報流出のおそれも - 焼津市
「サポート詐欺」の高齢者被害が大幅増 - ネット銀の接続促す手口も
早大公認新聞サークルサイト、マルウェアダウンロードのおそれ
警察庁、サイバー被害のオンライン通報窓口を設置 - 相談なども対応
初期侵入から平均62分で横展開を開始 - わずか2分のケースも
個情委、「LINE」情報漏洩でLINEヤフーに勧告 - 「ヤフオク!」に関する指導も
サイバー攻撃で狙われ、悪用される「正規アカウント」
JPCERT/CCが攻撃相談窓口を開設 - ベンダー可、セカンドオピニオンも
先週注目された記事(2024年3月17日〜2024年3月23日)