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パスワードリスト攻撃の事前スクリーニング、大胆なその手口

約11時間に行われた新規登録申請の試行回数は16万5038件におよび、いずれも不正な申請だった。1分あたり約250回、1秒あたりにすると約4.2回。同サイトの場合、新規登録件数は通常1日あたり700件程度であり、あきらかに異常な数値だ。

新規登録にあたっては、IDとなるメールアドレスを入力すれば良いわけではなく、氏名や電話番号など、申請に入力が必須となる項目が複数ある。これらを入力しなければ、エラーが表示される新規登録申請の「確認ページ」へは遷移できない。

そこで今回の攻撃では、攻撃者がこれらに同一のダミー値を入力し、登録申請の確認を行っていたという。また攻撃者は登録申請の確認のみに終始し、未登録のメールアドレスをそのまま登録することはなかった。登録作業を行ってしまえば、同一のダミー値がデータベースへ複数登録されたり、メールアドレスへ確認のメールが送信され、なりすましによる登録行為が発覚してしまうおそれがあるため、それを避けたものと予想される。

こうしたスクリーニング行為は、実際にログインまで完遂するわけではないが、闇市場でより精度が高いアカウントリストが求められていることなどを踏まえると、あらたな「パスワードリスト攻撃」の一種と言っても良いかもしれない。

(Security NEXT - 2018/06/22 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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