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NICT、量子暗号ネットワークの試験運用開始 - 秘密鍵生成は実環境で世界最速

情報通信研究機構(NICT)と委託研究機関であるNEC、三菱電機、NTTは、NICTのテストベッドネットワーク「JGN2plus」上に量子暗号ネットワークを構築し、試験運用を開始する。

今回の試験運用では、JGN2plus上の4拠点に量子鍵配送装置を設置。複数の回線パターンからなる最長90キロメートルの量子暗号ネットワークを構築し、多地点間のテレビ会議システムを運用するもので、都市圏の敷設光ファイバ網では世界初の試みになるという。

量子暗号ネットワークは、1度のみ利用する秘密鍵を生成、光ファイバにより共有するワンタイムパッド暗号化技術が特徴で、国家レベルの機密通信や電力、ガス、水道といった重要インフラ、金融機関などへの活用を目指している。

従来は、音声データの暗号化が限界で、伝送距離も敷設光ファイバで数10キロメートルが限界だったが、今回の実験においては、45キロメートルの光ファイバ回線で世界最速となる毎秒約10万ビットの秘密鍵を生成する。

(Security NEXT - 2010/10/15 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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