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法人の不正送金被害が約8.6倍 - 金額ベースで個人を上回る

2025年第1四半期のオンラインバンキングにおける不正送金の被害は件数、被害額ともに過去最多を更新した。とくに法人では過去に例を見ない被害が確認されている。

全国銀行協会が、会員187行を対象に2025年1月から3月にかけて発生した不正送金被害の状況を調査し、結果を取りまとめたもの。預金者本人以外が不正に送金し、振込先から金銭が引き出されて返還できなかったケースを集計している。

被害件数は個人と法人あわせて1991件となり過去最多を更新した。2023年第2四半期の1672件をピークに減少し、以降は1000件前後を推移してきたが、前四半期の867件から約2.3倍へと急増している。

不正送金による被害額は、過去最多となる約28億4200万円。2023年第3四半期に約26億2500万円を記録。以降はそれを上回ることなく推移し、前四半期は約19億3400万円だったが、約1.5倍へと急増している。1件あたりの平均被害額は約143万円だった。

被害の内訳を見ると、件数ベースでは個人の被害が97.8%を占めており1947件にのぼる。前四半期の869件から倍増した。

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オンラインバンキングにおける不正送金被害の動向(グラフ:全銀協の発表をもとに独自に作成)

(Security NEXT - 2025/06/30 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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