ウイルスの減少傾向続く反面、ワンクリック詐欺の相談が再び増加 - IPAまとめ
情報処理推進機構(IPA)は、3月におけるウイルスや不正アクセスの届け出状況を発表した。「ワンクリック不正請求」に関する相談が、減少傾向から一転して大きな伸びを見せた。Winny上からダウンロードした漫画データでウイルスに感染し、個人情報が流出したケースも報告されている。
3月のウイルス検出数は約21万個で、2月の約26万個から18.3%の減少を見せた。また、同日中に発見された同種のウイルスを1件とカウントする「届け出件数」は1651件で、2月の1854件から10.9%の減少となった。
検出数の順位に大きな変動はなく、1位は「Netsky」で約20万個。全体の94.5%を占めている。2位も先月と変わらず「Mytob」で約5600個、3位は「Mydoom」で約1200個だった。先月、大幅な増加を見せて3位にランクインした「Fujacks」は姿を消した。
不正アクセスの届出件数は19件と、先月の4件から大きく増加した。そのうち被害があったのは13件だった。また35件の相談が寄せられており、15件で被害が発生している。
被害内容については、侵入8件、DoS攻撃1件、アドレス詐称1件、その他3件となっている。SSHポートへのパスワードクラッキング攻撃により他サイトへの攻撃の踏み台に利用されたケースや、サイトの脆弱性を悪用したSQLインジェクション攻撃によるコンテンツの改ざん、ネットオークションにおけるなりすまし被害など発生した。
3月に同機構へ寄せられた相談件数は654件で、2月の350件から増加した。なかでも「ワンクリック不正請求」に関する相談は157件と、昨年の12月から続いていた減少傾向から一転して大幅な増加を見せた。同機構では、この増加は昨年末にワンクリック詐欺の業者が逮捕された影響が薄れてきたためと分析している。
また、Winnyに関する相談は6件寄せられた。漫画だと思ってWinny経由でダウンロードしたファイルが実際はウイルスで、感染被害により個人情報が漏洩したケースが報告されている。またウェブサーバとして利用するLinuxサーバがボットへ感染し、プロバイダから接続を拒否されたケースがあった。
(Security NEXT - 2008/04/03 )
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