Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

埼玉県健康づくり事業団のX線読影システムがランサム被害 - 紙で対応

埼玉県内の自治体や組織より検診業務などを請け負っている埼玉県健康づくり事業団は、X線画像読影システムがランサムウェアによるサイバー攻撃を受けたことを明らかにした。データの消失はなかったが、システムを利用できず、紙の結果票による対応へ切り替えている。

同法人によれば、X線画像読影システムがサイバー攻撃を受けたもの。1月29日に読影を行う医師がリモートよりログインしようとしたところ、ログインできなかったため、調査を行ったところ、ランサムウェアの被害に遭ったことが判明した。システムの内部には英文による脅迫文が残されていたという。

同法人では、埼玉県内の42自治体をはじめ、県内の企業、団体などより集団検診などの業務を請け負っている。胃がんや肺がん、乳がん検診などをはじめとするX線撮影画像の読影については年間約40万件に対応している。

ランサムウェアによる被害の判明を受けて同法人ではネットワークを遮断。情報漏洩の有無も含め、影響の範囲について調査を進めている。X線画像や超音波画像、関連する氏名、年齢、生年月日、性別、検査日、ID、撮影番号のほか、モアレ検査画像、関連する学校名、撮影番号などが流出した可能性がある。

X線画像読影システムが復旧する見通しは立っていない。システム内部に保存されていたデータの多くは診断報告書の作成を終えており、撮影データそのものも検診車などに残っているため、これから診断を行う場合も再撮影などは生じないという。

(Security NEXT - 2024/02/07 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

【特別企画】最先端企業が直面した「AIセキュリティの盲点」とは? - 生成AIテーマにカンファレンス
「React」が脆弱性3件を追加修正 - 重大脆弱性の余波に引き続き警戒を
「MS Edge」にアップデート - 「Chromium」のゼロデイ脆弱性に対処
県サイト資料に非公開の個人情報、マスキング未処理 - 静岡県
職員用グループウェアがランサム被害、生徒情報流出か - 向上学園
自治体委託イベントの申込フォームに不備 - 個人情報が閲覧可能に
サイバー攻撃被害が判明、内部情報へアクセスされた痕跡 - BBT
個人情報含む記憶媒体紛失、教諭2人を懲戒処分 - 北海道
「AEM」に100件超の脆弱性 - 「クリティカル」も複数
オンライン会議ソフト「Zoom Rooms」に脆弱性 - 最新版で修正済み