Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

「Office」のゼロデイ脆弱性、ロシア攻撃グループが悪用

マイクロソフトは、ロシアのサイバー攻撃グループにより、脆弱性「CVE-2023-36884」に対するゼロデイ攻撃が展開されたことを明らかにした。

「CVE-2023-36884」は、「Office」においてリモートよりコードを実行されるおそれがある脆弱性。細工した「Officeファイル」を用いる標的型攻撃が確認されているが、7月の同社月例セキュリティ更新でアドバイザリを公開したものの、修正プログラムは用意されていない。

同社は、ロシアを拠点に活動し、別名「DEV-0978」「RomCom」としても知られる攻撃グループ「Storm-0978」が、ヨーロッパや北米の政府機関、軍事関連に展開した攻撃キャンペーンで同脆弱性を悪用したと指摘した。

「Storm-0978」は、バックドア「RomCom」を展開していることで知られる攻撃グループ。ランサムウェアや脅迫、諜報活動などがこれまでも観測されている。AdobeやSolarwinds、KeePass、Signalなどの正規ソフトウェアを不正に改変したトロイの木馬なども攻撃に使用している。

2023年6月に確認された諜報活動が目的と見られる攻撃では、今回公表された「CVE-2023-36884」やセキュリティ機能のバイパスが可能となる脆弱性など、複数のゼロデイ脆弱性を悪用。「RomCom」に類似したバックドアへ感染させようとしていた。

(Security NEXT - 2023/07/12 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

「Array AG」狙う攻撃、関連する複数IPアドレスを公開 - IPA
ランサム被害による個人情報流出を確認 - 保険事故調査会社
Ruby向けSAML認証ライブラリに深刻な脆弱性 - 最新版へ更新を
「Array AG」にCVE未採番の脆弱性 - 8月に国内で悪用被害
米当局、「ArrayOS AG」脆弱性など2件を悪用リストに追加
Synology製NASに複数脆弱性 - 情報漏洩やDoSのおそれ
メール誤送信、イベント申込者のメアド流出 - 神奈川県
海外子会社の予約管理システムが侵害、個人情報流出 - tripla
多治見市の複数小中校で不正アクセス - 迷惑メール1.6万件送信
開発環境が侵害 マルウェア感染と個人情報流出を確認 - ジモティー