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松井証券で顧客資産約2億円が不正引出 - 長年業務に携わる委託先SEが権限悪用

松井証券では、発覚当時より金融庁へ報告しており、警察にも相談しつつ対応を進め、2020年9月に告発。証拠隠滅などのおそれもあり、捜査を察知されないよう本人にも知らせることなく対応を進めてきたが、電子計算機使用詐欺などの容疑で3月24日に元従業員が警視庁に逮捕されたことを受け、両社では事態を公表した。SCSKでは同日付で従業員を懲戒解雇している。

松井証券は、2年以上にわたり犯行が発覚しなかった理由について、元従業員は内部事情に精通していた上、内部者による犯行の想定が不十分だったと説明。

取得された「パスワード」や「取引暗証番号」について、ハッシュ化といった対策が実施されていたかについては、「セキュリティに関わるため回答できない(松井証券広報)」としている。

松井証券では、対象となる顧客に対して被害全額を返金。SCSKでは被害相当額を松井証券へ賠償した。

SCSKは、同従業員が開発や運用に携わったのは松井証券のシステムのみとし、他顧客におけるシステム開発には関与しておらず、他受注案件で同様の問題は確認されていないとしている。

(Security NEXT - 2021/03/25 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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