松井証券で顧客資産約2億円が不正引出 - 長年業務に携わる委託先SEが権限悪用
松井証券において、システム開発や運用を委託するSCSKの従業員が顧客情報を不正に取得し、顧客資産を売却して現金を引き出していたことがわかった。被害額は約2億円にのぼるという。
2017年6月29日から2019年11月12日にかけて、SCSKの従業員が業務上付与されたアクセス権限を悪用してログインに必要となる「ID」「パスワード」や、取引時に用いる「取引暗証番号」を不正に取得。その後、顧客になりすまして有価証券の売却など行い、預かり資産を引き出していた疑いが持たれている。
同従業員は、2002年5月ごろよりエンジニアとして松井証券のシステム開発や運用に携わり、プロジェクトマネージャーを務めていた。
同従業員のパソコンからは、顧客210人分の情報を含むリスト化されたファイルが発見されており、一部顧客について金銭を引き出すため、偽造した本人確認書類を用いて同姓同名の架空口座を4金融機関で開設していたと見られる。金銭的な被害が確認された顧客は15人で、被害総額はあわせて約2億円にのぼるという。
2020年1月17日に身に覚えのない取引があったと顧客から松井証券のコールセンターへ申し出があり、同社では調査を開始。約1週間後には同従業員による関与を特定した。
(Security NEXT - 2021/03/25 )
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