東証のシステム障害、メモリ故障に起因 - フェイルオーバー機能せず
東京証券取引所は、10月1日にシステム障害が発生し、売買停止に陥った問題で、同日記者会見を開催し、一部原因を明らかにした。ハードウェアに起因するもので、サイバー攻撃については否定している。
同取引所では、同日7時4分に株式売買システム「アローヘッド」を構成する運用系ネットワークの共有ディスク装置において2台あるうち1台でメモリ故障を検知。同装置は両現用の冗長化体制で運用しており、1台に障害が発生してもフェイルオーバーにより1台体制へ切り替わる仕様だったが、正常に動作しなかったという。
共有ディスクシステムの障害により、相場情報の配信処理に異常が生じたほか、売買監視サーバなどにおいても処理が正常に行えない状態となった。
障害が発生した共有ディスク装置を強制的に遮断し、運用することも可能だったが、システム全体の再起動が必要であり、再起動した場合は、すでに受け付けていた注文情報なども失われ、接続する証券会社など市場参加者へ混乱が生じることが想定されたことから、関係者との協議を経て10月1日の売買停止を決定。
システムにおいては8時36分に関係者へ通知し、前場開始前となる8時54分に証券会社など相場参加者を接続するゲートウェイを遮断した。

障害の概要(図:東京証券取引所)
(Security NEXT - 2020/10/02 )
ツイート
関連リンク
PR
関連記事
大会申込フォームに不具合、個人情報が閲覧可能に - 日本学生相談学会
電子お薬手帳サービス「おくすり手帳Link」で一時障害
LINEで意図に反する大量の「グループ招待」「友だち追加」 - バグ検証から拡大か
福井県の中小企業支援サイトで全データ消失 - クラウド契約先が手続ミス
東証障害、売買停止後も内部で約定発生 - マニュアル誤記載も
東証のシステム障害、原因は自動切換用の設定
東証、10月2日は通常どおり売買実施
東京証券取引所でシステム障害 - 全銘柄が取引停止に
ランサムウェアに感染、障害が発生 - 経済同友会
キヤノンの写真クラウドサービスで障害 - 画像データ消失