Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

マルウェア検体や痕跡残さない標的型攻撃 - 世界140以上の組織が被害か

メモリ上で動作し、ユーティリティなど一般的なツールのみを攻撃に利用することで、極力痕跡をを残さない標的型攻撃が大規模に展開されていることを露Kaspersky Labが明らかにした。

同社によれば、今回確認された攻撃では、既知の脆弱性を攻撃してサーバのメモリ上に感染。「PowerShell」をはじめ、管理ツールなど一般的なソフトウェアを利用し、外部よりシステムを遠隔操作していたほか、システム管理者のパスワードを収集していたという。

今回検知した攻撃は、複数金融機関のサーバにおいて、メモリ上に本来は存在しないはずの「Meterpreter」が動作していることへ気が付き、問題が発覚した。

同ソフトは、侵入テストなどで用いられる「Metasploit」のモジュール。「PowerShellスクリプト」などのユーティリティなどと組み合わせて攻撃に利用されていた。メモリ上に潜み、端末上にファイルが存在しないためセキュリティ対策ソフトで検知が難しく、フォレンジック調査も難しいとしている。

また発覚の発端となった金融機関以外にも、米国、フランス、エクアドル、ケニア、イギリス、ロシアなど40カ国140組織に対しても同様の攻撃が行われていたことが判明。攻撃者の組織や規模については、ほとんどわかっていないという。

(Security NEXT - 2017/02/16 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

「VMware Tanzu for Valkey」の脆弱性を修正 - 「クリティカル」も
米当局、「IE」「Excel」「WinRAR」の脆弱性悪用に注意喚起
MS、8月の月例セキュリティ更新で100件以上の脆弱性に対応
「NVIDIA Triton Inference Server」に複数の深刻な脆弱性
休暇中に作業、個人情報含むUSBメモリを紛失 - 印西市
プロキシサーバ「Squid」に深刻な脆弱性 - アップデートで修正
夏季休暇に備えてセキュリティ対策の見直しを
「Chrome」にアップデート - セキュリティ関連の修正4件
NVIDIAのGPUディスプレイドライバや仮想GPUソフトに複数脆弱性
ブラウザ「Firefox 141」が公開 - 脆弱性18件を解消