シェア3位目指すESET - 法人製品の新版や暗号化製品の投入も
ESET製品を展開するキヤノンITソリューションズ(CITS)は、Windows向け新プログラム「ESET Smart Security 8.0」のリリースにあわせ、11月26日に都内で記者説明会を開催した。ESETの担当者も登壇し、さらなるシェア拡大に向けた施策を明らかにした。

戦略を語ったESETのwalia氏(画面左)とCITSの近藤氏(同右)
同説明会では、まずESETでアジアセールス・ディレクターを務めるParvinder walia氏が登壇。アジア地域や日本におけるESETの状況を説明した。
同氏はアジア地域におけるセキュリティ市場ついて、「平均年齢が若く、世界の6割の人口を占めており、市場規模は約17億ドル。ESETでは年6.2%の成長を見込んでいる」と説明。
なかでも日本市場はアジア市場の半分を占めており、年4%の成長を見込んでいると語り、同氏は「日本は非常な重要な地域。引き続きサービスを集中させていきたい」と引き続き日本市場を重視していく方針をあらためて示した。
日本におけるセキュリティ対策ソフトの市場シェアは、現状5.7%で4位につけている。成長率はワールドワイドで約10%、日本国内で約20%を確保しており、世界はもちろん、国内においても3番目のシェア獲得に向けて動いているという。
新製品も投入していく予定だ。今回、コンシューマーや小規模企業向けの「ESETシリーズ8.0」を発表したが、エンタープライズ向けとして、2013年よりエンドポイント向け製品の開発を進めており、管理機能を強化した「バージョン6」を2015年に投入することを明らかにした。
またワールドワイドでは、ハードディスク全体を暗号化する「DESlock+」を投入しており、日本市場に関しても、CITSを通じて2015年には販売を開始する見込みだ。
続いて登壇したCITSのプロダクトソリューション事業本部でセキュリティソリューション事業部長を務める近藤伸也氏は、2014年の動向について「Windows XPのサポート切れによる特需があった。対前年で15%強の成果を見込んでおり、成熟した市場のなかで大きく成長を遂げている」と好調ぶりをアピール。
「従来はグループ会社によるシェアの獲得が中心だったが、顧客の指名によるプル型販売が増加しており、ESETブランドが国内に浸透しつつある」と背景を説明。今後は4種類の施策を軸にブランド力の強化を図る。
具体的には、コンシューマーのサポートサイトである「CLUB ESET」や「Q&Aコミュニティ」を展開。また今までセキュリティ情報の発信が弱いと言われてきたが、情報サイト「マルウェア情報局」に注力していく。
法人に対しては、ゲートウェイ製品の投入によるラインナップの強化や、導入しやすい教育機関向けライセンスを展開する。
エンタープライズ向けユーザーの獲得に向け、パートナープログラムの強化にも力を入れる。販売パートナーを拡充するとともに、アライアンスパートナーを拡大。プリインストール型専用端末によるESET製品の組み込みや、相性問題を事前に検証するテクニカルパートナーなどを獲得し、さらに顧客の満足度を高め、よりユーザーが満足いく製品を届けたいと同氏は意気込みを語った。
(Security NEXT - 2014/12/03 )
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