「セキュリティ対策」の「安心感」につけ込まれる可能性
本来こうした攻撃では、フィッシングサイトのURLやワンタイムパスワードが送信されてくる際のメッセージなど、探せば不審な点がいくつも見つかるはずだ。だが、チェックがおろそかになれば、たちまち黒い影が背中に忍び寄る。
無論、金融機関などサービス提供者には、こうした攻撃を事前に検知して排除したり、ユーザー側でサイトの正当性を判断できるしくみを用意するなど、フェールセーフとして、ワンタイムパスワードではカバーしない脆弱な面への対策が求められる。実際にこうした取り組みを進めている企業もある。
だが、フィッシングをはじめ、ソーシャルエンジニアリングなど攻撃者がユーザーの行動の裏を付いた攻撃を考えている。あたらしい技術が導入されれば、またあらたな攻撃手法を生み出すことは容易に想像できる。
幸い国内で被害が確認されていない。今回の事例は、ユーザーは、導入されているセキュリティ機能を理解し、限界を意識したり、重要な情報を漏らしてしまう大きな危険のひとつに「自分」がいることを、気が付くための良い機会かもしれない。
(Security NEXT - 2010/07/30 )
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