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機械学習フレームワーク「PyTorch」に不正プログラム混入のおそれ

機械学習のフレームワークである「PyTorch」のナイトリービルドをパッケージマネージャである「pip」経由でインストールした場合に、悪意あるプログラムがインストールされるおそれがあったことが判明した。

開発チームによれば、依存関係にあるパッケージ「torchtriton」と同名の悪意あるパッケージがコードリポジトリ「PyPI(Python Package Index)」上に公開されていることが現地時間12月30日16時半ごろに判明したもの。

依存関係においてPyPI上のプログラムが優先される仕様のため、2022年12月25日から同月30日にかけて、悪意あるプログラムがインストールされるおそれがあった。影響があるのは、Linux向けのナイトリービルドのみとしており、安定版については影響を受けないという。

問題のパッケージには悪意ある「tritonバイナリ」が含まれており、インポート時に不正なコードが実行されるしくみで、暗号化したDNSクエリを用いて端末内の機密性が高いファイルを外部へ送信していた。パッケージのインポートには明示的なコードが必要としており、デフォルトの動作ではないとしている。

今回の問題を受けて開発チームでは、ナイトリービルドより「torchtriton」の依存関係を削除。さらに再発を防ぐため、PyPIにダミーパッケージを登録して置き換えた。

対象期間中にナイトリービルドをインストールした心当たりがあるユーザーに対し、「PyTorch」および「torchtriton」をアンインストールし、同30日以降に公開した最新版を使用するよう注意を喚起。悪意あるプログラムが存在しないか確認するためのコマンドについてもアナウンスしている。

(Security NEXT - 2023/01/04 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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