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「ストーカーウェア」からDV被害者を保護する取り組み

セキュリティベンダーやドメスティックバイオレンス(DV)の被害者支援団体は、ストーキングに利用されるソフトウェアから、ストーカー被害者を保護することを目指す取り組みを開始した。

セキュリティ企業とDV被害者支援団体の10団体が、ストーキング行為に利用されるソフトウェアから被害者を保護する取り組み「Coalition Against Stalkerware」をグローバルで開始したもの。

参加団体は、Electronic Frontier Foundation(EFF)、European Network for the Work with Perpetrators of Domestic Violence、National Network to End Domestic Violence、Operation Safe Escape、WEISSER RING、Avira、G DATA Cyber Defense、Kaspersky、Malwarebytes、NortonLifeLock。

Kasperskyは、対象となる人物の端末に潜み、所有者に通知することなくメッセージや写真、位置情報、SNS、音声、動画撮影機能などへ密かにアクセス、DVやストーキングに利用されるソフトウェアを「ストーカーウェア」と説明。

2019年1月から8月にかけて検知されたこうした「ストーカーウェア」は380種に及び、前年同時期から31%増加したという。

「ストーカーウェア」の定義や検知に基準はなく、これまで曖昧だったが、同問題を解決するため、関係者間で意見交換を行い、検知の基準について合意することを目指している。

また「女性に対する暴力撤廃の国際デー」にあわせ、ストーカー被害者に対して情報提供を目的としたポータルサイトを立ち上げた。

同サイトでは、「ストーカーウェア」の特徴や、標的とされているか確認するための判断基準、「取るべき対応」と「取るべきではない対応」などを紹介。

ストーカー被害者の監視などに利用される「ストーカーウェア」だが、一方で単純に削除すると相手に通知が届いたり、証拠が消失して捜査に支障がでるなど、事態の悪化を招く可能性もあるなど、情報を提供。

被害を受けている疑いがある場合は、被害者の支援団体や警察へただちに通報するよう呼びかけている。

(Security NEXT - 2019/11/28 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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