ランサムウェア、クリスマス商戦に便乗 - 偽配送メールに警戒を
米国において感謝祭のセールに便乗し、ランサムウェアへ感染させる動きが観測されている。年末商戦を控えた国内でも同様の攻撃に注意が必要だ。
米国では、11月第4木曜日の感謝祭(サンクスギビングデー)を迎え、翌日の「ブラックフライデー」や週明けの「サイバーマンデー」より、クリスマス商戦が本格化するが、オンラインショッピングを楽しむユーザーを狙ったフィッシング攻撃をはじめ、詐欺やマルウェアの感染活動など、脅威が年々増加している。

フィッシングメールが占める割合(表:Kaspersky Lab)
Kaspersky Labの調査によれば、2013年におけるフィッシングメールの割合は、1年を通じて31.5%、第4四半期は32%と大きな差は見られなかったが、2015年は1年を通じて34.3%だったのに対し、第4四半期に限っては43.4%と9.1ポイントも高い割合を示したという。
2016年は、こうしたフィッシングにくわえ、検出や被害報告が増えている「ランサムウェア」にも警戒が必要だ。
Microsoftによれば、すでにAmazonの配送メールを装い、ランサムウェアへ感染させるメールが確認されている。添付されたzipファイルには、JavaScriptで記載されたダウンローダー「Nemucod」が含まれ、誤って開くと外部よりランサムウェアである「Locky」がダウンロードされ、感染するおそれがある。またAmazon以外にも、DHLやFedExをはじめ、複数の配送業者などを装うケースもあった。
これまで国内においても、「宅配便」や「注文書」などに見せかけ、不正送金マルウェアへ感染させる手口が多数観測されている。ランサムウェアを感染させる際に、同様のソーシャルエンジニアリングのテクニックを用いる可能性がある。
国内でもクリスマスや正月に向けて年末商戦が本格化する時期。見覚えがある業者からのメールであっても細心の注意を払い、安易に添付ファイルやリンクを開かないようにしたい。
(Security NEXT - 2016/11/25 )
ツイート
PR
関連記事
まもなく年末年始、長期休暇前にセキュリティ総点検を
ランサム被害で写真や動画が流出、調査を実施 - 横須賀学院
教育支援サービス侵害、ランサムウェアによる個人情報流出の可能性
ベトナム子会社でランサム被害、製造出荷に影響なし - 大日精化工業
複数サーバやPCがランサム被害、影響など調査 - 三晃空調
職員用グループウェアがランサム被害、生徒情報流出か - 向上学園
ランサム被害による個人情報流出を確認 - 保険事故調査会社
アスクル、ウェブ経由の注文を再開
ランサム被害で個人情報が流出した可能性 - オオサキメディカル
ランサム感染でサーバ障害、調査や復旧実施 - YAC子会社
