Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

ネットバンキング狙うマルウェア、前四半期比4倍に - 過去最悪

2016年第3四半期は、オンラインバンキングのアカウントを窃取するマルウェアの検出台数が前四半期の4倍と急増し、過去最悪を記録した。

20161118_tm_001.jpg
不正送金マルウェアの推移(グラフ:トレンドマイクロ)

トレンドマイクロによれば、同四半期に同社が検出した国内オンラインバンキングを標的としたマルウェアは3万9900件。前四半期の9900件から4倍、前年同期の8800件と比較すると4.5倍に増加した。

同社における不正送金を行うマルウェアの検出数は、2014年第2四半期の2万4900件をピークにその後は1万件前後で推移していたが、今回急拡大したもので、2012年にオンラインバンキングを狙うマルウェアが本格的に国内で確認されるようになってから、最多だという。

検出台数をマルウェアの種類別に見ると、「URLZone」「Shiotob」といった別名でも知られる「Bebloh」が80%、「Gozi」「Snifula」「Papras」といった名称も持つ「Ursnif」が13%で、全体の93%を占める。

メール経由で「Bebloh」が侵入した後、同マルウェアが単体で活動するケースと、最終的に「Ursnif」をダウンロードしてオンラインバンキングのアカウント窃取を試みるケースと、2つの攻撃パターンが確認されている。

また8月にはあらたな動きとして、「金融監督庁」をかたり、アカウント情報の詐取を試みる別名「Blackmoon」としても知られる「KRBanker」による攻撃を確認している。

(Security NEXT - 2016/11/18 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

2023年の不正アクセス認知件数、前年比2.9倍に急増
2023年3Qの不正送金 - 被害額が約1.5倍に拡大
不正送金被害が前年比5倍と過去最悪 - 年末年始もフィッシング攻撃に警戒を
ネットバンク不正送金が前四半期の2倍超 - 過去最悪に
ネットバンク不正送金被害、上半期だけで前年の約2倍に
1Qのネットバンク不正送金、前四半期の2倍弱へと急増
オンラインバンキング不正送金被害、2月以降増加の兆し
不正アクセスの認知件数が前年比約45%増 - 検挙者は9.4%増加
フィッシングURLが大幅減 - 10カ月ぶりに1万件下回る
宣伝会議、不祥事ランキングを公表 - 求められる迅速な誠意ある対応