Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

「DMM」装う架空請求 - SMSで法的措置と不安煽り、プリカ番号聞き出し

大手動画サイト「DMM.com」を装い、「有料動画閲覧履歴があり、法的措置を行う」などとするSMSを送り付け、金銭を騙し取る詐欺被害が発生していることがわかった。

20160119_sh_001.jpg
詐欺の流れ(図:消費者庁)

注意喚起を行った消費者庁によれば、問題のSMSは、送信元として大手動画サイト「DMM」の社名を悪用。「有料動画の閲覧履歴があり、登録解除をその日のうちに連絡しないと身辺調査および強制執行の法的措置に移行する」などと不安を煽り、電話をかけさせる手口で、プリペイドカードを購入させ、カードに記載された番号を聞き出していた。

さらに別の人物が登場し、「電子事業協会」とする組織の関係者を名乗り、「ブラックリストに名前が掲載されている」などとし、削除料金としてさらに金銭を騙し取っていたケースもあったという。

同庁は、プリペイドカードを購入させ、カード番号などを教えるよう求めるのは詐欺の手口であると指摘。DMM.comやグループ会社とは関係なく、発信者が「DMM」となっていても電話をかけないよう求めている。

こうした架空請求で悪用されているのが、コンビニやスーパーで気軽に購入できる「プリペイドカード」。従来の磁気タイプではなく、サーバ管理型プリペイドカードだ。

架空請求では、これまで金銭の受け渡しに不正に取得した銀行口座や、ゆうパックを使うケースなどがあったが、最近ではこうしたプリペイドカードを悪用するケースが増えている。

サーバ管理型プリペイドカードは、カード上に記載された番号を、インターネットから登録することにより電子マネーを利用できるもので、番号に金銭的な価値が存在。これら番号を相手に伝えると、金銭を送金したことと同様となる。

これまでも友人や知人のフリをして、プリペイドカードを購入させ、カードの写真を送らせて電子マネーを騙し取る詐欺が発生。さらに有料サイトやアダルトサイト利用料などとする架空請求の詐欺でも利用されるようになった。

数千円のプリペイドカードを約70枚、約50万円分買い、番号をファックスで送信してしまったケースや、数百枚にも及ぶプリペイドカードを携帯電話で写真撮影してメールで送信してしまい、約300万円の被害に遭ったケースも確認されており、国民生活センターや全国消費者センターでも注意を呼びかけている

(Security NEXT - 2016/01/19 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

従業員がサポート詐欺被害、個人情報流出か - 住友林業クレスト
先週注目された記事(2025年4月20日〜2025年4月26日)
サポート詐欺の相談が1000件超 - SNS乗っ取り相談も増加
まもなくGWの長期休暇 - セキュリティ対策の確認を
「自分は絶対に大丈夫!」との思い込みこそ危険 - 無料啓発教材を公開
警告音付き偽画面でサポート詐欺被害、支払要求で気付く - 松山大
IPA、「情報セキュリティ10大脅威 2025 組織編」の解説書を公開
詐欺撃退録音機の申請者情報が記載された地図を紛失 - 柏市
サポート詐欺でPCが遠隔操作、情報流出は調査中 - 作大
道の駅がサポート詐欺被害 - 異変気づき電源切るも遠隔操作の痕跡