Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

コード変更で再発した脆弱性がゼロデイ攻撃の狙い目に

6月のアップデートで修正された「Adobe Flash Player」の脆弱性「CVE-2015-3113」は、過去に修正された「CVE-2015-3043」と同様の原因で生じたものであることがわかった。コード変更にともない再発したものだという。

「CVE-2015-3113」は、重要インフラ事業者を対象とした攻撃キャンペーン「Operation Clandestine Wolf」で悪用された「Adobe Flash Player」の脆弱性。FireEyeが攻撃を確認し、Adobe Systemsへ報告。米時間6月23日のアップデートで修正された。中国で活動するグループによる攻撃と見られている。

米Trend Microによれば、これら脆弱性は動画のファイルフォーマットである「FLV」において、音声コーデック「Nellymoser」の音声処理方法に起因しており、バッファ長の確認を回避し、固定長のヒープ領域をオーバフローさせるものだったという。

「CVE-2015-3043」は、「同17.0.0.169」で修正されたものの、「同18.0.0.160」へアップデートされた際にコードが変更されたことで、根本的な原因が同様である脆弱性が再発。過去の悪用コードも今回の攻撃に利用できたとTrend Microは分析した。

修正した脆弱性が解析され、類似した脆弱性が攻撃される可能性があるとし、修正プログラムを開発する場合、慎重な対応が求められていると同社は指摘。リグレッションテスト(回帰テスト)の重要性を訴えている。

(Security NEXT - 2015/06/29 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

「NetScaler ADC」脆弱性、パッチ公開前から攻撃発生
「NetScaler ADC/Gateway」にゼロデイ脆弱性 - 早急に更新を
「Chrome」にゼロデイ脆弱性、アップデート公開 - 軽減策の実施も
特権コマンド実行ツール「sudo」に重要度「クリティカル」の脆弱性
「IBM WebSphere Application Server」にRCE脆弱性 - 暫定パッチ公開
「MS Edge」にアップデート - 固有の脆弱性などにも対処
Salesforceのローコード開発ツールに脆弱性 - 設定リスクの指摘も
構成管理ツール「Salt」に複数脆弱性 - 「クリティカル」も
「Kibana」に深刻な脆弱性 - 「Chromium」の既知脆弱性に起因
「IBM i」のFAX機能に権限昇格の脆弱性 - 修正パッチを提供