「Dropbox」のファイルリンクに危険なワナ - 引き続き注意を
クラウドストレージサービスの便利なサービスは、マルウェアをばらまくサイバー犯罪者にとっても便利な機能として用いられている。「Dropbox」経由でマルウェアが配布されるケースもたびたび確認されており、注意が必要だ。
韓国のアンラボは、Dropboxの「ファイルリンク機能」を悪用し、マルウェアを配布する攻撃を確認した。ブログなどに「人気ゲーム」「ユーティリティ」などとしてダウンロード用のURLを掲載する手口だった。
配布されているファイルはマルウェアで、感染すると外部サーバに接続。個人情報を窃取したり、別のマルウェアをダウンロードするなど、悪質なものだった。
マルウェアの拡散にDropboxが悪用されたケースは、これまでも確認されている。
シマンテックは、2012年にDropboxが実質上、無料のホスティングサイトとしてスパマーに悪用されている状況を指摘している。Dropboxが備えるURL短縮サービスもスパム送信者に好まれる理由で、わずか2日間に1200 件ユニークなURLを確認した。
また2014年6月には、インターネットバンキングのアカウントを盗み、不正送金の原因となる「Zeus」の感染拡大に悪用された。
攻撃を確認したトレンドマイクロによれば、スパムメールにURLを記載し、マルウェア「UPATRE」の亜種を拡散する手口で、同マルウェアを通じて「Zeus」に感染させていた。インターネットファックスやオンラインバンキング、Skypeなど著名企業からの連絡メールを装い、リンク先としてDropboxのリンクを用いていたという。
マルウェアの配布などに利用されたアカウントは、セキュリティベンダーによって報告され、停止に追い込まれているが、引き続き同様の攻撃が発生する可能性もあり、注意が必要だ。
またこうした攻撃に利用するため、Dropboxのアカウントが狙われる可能性もある。犯罪者に乗っ取られないよう、パスワードの使い回しを避けたり、ワンタイムパスワードを活用するといった対策も正規利用者に求められる。
(Security NEXT - 2014/12/19 )
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