Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

【不正送金】ネットバンク被害、18億円超で過去最悪 - 法人被害額は7.6倍に

2014年上半期におけるオンラインバンキングの不正送金被害は、1254件に及び、被害額は18億5200万円と過去最悪を更新したことがわかった。地銀や法人口座の被害拡大が目立っている。

20140904_np_001.jpg
不正送金の推移(グラフ:警察庁)

警察庁が、2014年上半期に発生した不正送金の状況について取りまとめたもの。地方銀行で被害が広がっており、前期には被害が確認されていなかった信用金庫、信用組合にも拡大。73の金融機関で不正送金が発生した。

被害額の状況を口座の種類で見ると、個人口座が12億8000円で前期から1620万円増。一方、法人口座は、7500万円から5億7200万円へと大きく被害が膨らんだ。

特に法人口座の被害が目立ったのは地銀などの金融機関。都銀の被害が1億6200万円だったのに対し、地銀や信金などでは4億1000万円の被害が発生していた。

送金方法としては、いわゆるATMなどから現金を引き出す「出し子」による出金が64.9%を占めて最多。前期の53.8%から、9.1ポイント増加している。資金移動業者を利用した国外送金は7%、電子マネーへの換金が3.6%だった。

不正送金に利用された口座は、2807件。名義人を見ると69.5%にあたる1951件が中国人。日本人の口座は729件で26%だった。また送金先として法人口座を利用するケースも1.8%と割合としては少ないが、発生している。

警察庁では、69件で133人を検挙しており、そのうち62.4%にあたる83人が中国人だった。関係部門との連携を強化し、国際捜査共助要請を推進していくという。

(Security NEXT - 2014/09/04 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

2023年4Qの不正送金、減少するも高水準 - 平均被害額は大幅増
2023年の不正アクセス認知件数、前年比2.9倍に急増
暗号資産交換業者への不正送金対策を強化 - 金融庁ら
2023年3Qの不正送金 - 被害額が約1.5倍に拡大
不正送金被害が前年比5倍と過去最悪 - 年末年始もフィッシング攻撃に警戒を
ネットバンク不正送金が前四半期の2倍超 - 過去最悪に
国際連携でボットネット「QakBot」が解体 - 展開済みマルウェアに注意を
ネットバンク不正送金被害、上半期だけで前年の約2倍に
1Qのネットバンク不正送金、前四半期の2倍弱へと急増
狙われるネットバンク利用者 - 銀行装うメールやSMSに警戒を