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手間ひま惜しまぬ「やり取り型」標的型攻撃 - 受信側の環境配慮しマルウェアを再圧縮

こうした偵察メールへ返信すると、11分から15分でマルウェアを添付したメールが送り付けられたという。送り付けられたマルウェアは圧縮されており、「解凍できない」と攻撃者へ回答すると、わざわざ利用するアーカイバをたずねる返信があり、こちらの環境にあわせて圧縮方式を変更してから、マルウェアを送り付けてきたという。

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「やり取り型」攻撃メールの流れ(表:IPA)

また攻撃に用いられるファイルの種類なども変化がみられる。2012年度は「Officeファイル」が45%と中心だったが、2013年度に入り、「ジャストシステム文書ファイル」「ショートカットファイル」などが目立っているという。

感染したマルウェアが外部接続する「コマンド&コントロールサーバ」が国内へ設置されている割合が、7%から28%へと1年で21ポイント増となった。マルウェアの外部通信を隠すための工作である可能性もある。

一方で、こうしたメールの送信元としてフリーメールを利用しており、フリーメールに添付されたファイルや、本文中に記載されたリンクさえ開かなければ、攻撃を回避できるものだった。

(Security NEXT - 2014/05/30 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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