官民で標的型攻撃メール情報160件を共有 - 74%に悪意あるファイル
情報処理推進機構(IPA)は、サイバー情報共有イニシアティブ「J-CSIP」における2012年度の活動レポートを取りまとめた。
サイバー情報共有イニシアティブ「J-CSIP」は、標的型サイバー攻撃に対抗するため、官民連携の情報共有を目的として2011年10月に発足。
2013年4月の時点では、「重要インフラ機器製造」「電力」「ガス」「化学」「石油」の5業界、39組織が参加しており、検知された攻撃情報を、秘密保持契約のもと参加組織で共有し、セキュリティ対策へ活用している。
2012年度に参加組織から同機構に対し、標的型攻撃メールと疑われる不審なメールに関する情報提供が行われたのは246件。そのうち重複や対象外の情報を除き、160件を参加組織で共有した。
同機構に提供された不審なメールの傾向を見ると、送信地域は「韓国」が20%を占めて最多。次いで「日本(19%)」「米国(11%)」と続き、上位3カ国で半数を占める。35%については、メールのヘッダ情報が確保できない、ヘッダに送信元の痕跡が残っていないなどの理由により、送信元IPアドレスを特定できなかった。
またメールの74%に悪意あるファイルが添付されており、11%は本文中に不正サイトへ誘導するURLが記載されていた。添付ファイルもURLリンクもない、メールアドレスの存在確認が目的と思われるメールも11%にのぼる。
添付ファイルや、不正サイトへのアクセスにより感染するウイルスについて分析すると、ウイルスが接続する国の割合は、「米国(27%)」「香港(15%)」「中国(12%)」「韓国(12%)」「日本(7%)」だった。
添付ファイルを種類別に見ると、「Officeファイル」と「実行ファイル」がそれぞれ45%で多くを占める。また「拡張子を偽装した実行ファイル」も6%あった。「Adobe Reader」の脆弱性を狙うPDFファイルは1%と比較的少なかったという。
実行ファイルは、アイコンを偽装してメール受信者を騙すもので、脆弱性を悪用せずに感染させる手口が目立った。またOfficeファイルでは、「Flash Player」の脆弱性悪用を試みるものも少数ながら確認されたという。
(Security NEXT - 2013/04/19 )
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