NICT、ドイツの暗号解読コンテストで世界記録 - 秘匿情報処理技術の実用化目指す
情報通信研究機構(NICT)は、クラウドにおいて利用が期待されている暗号技術の安全性評価で世界新記録を達成したと発表した。
同機構では、暗号化したままデータを処理する技術「完全準同型暗号」において安全性を支える「格子の最短ベクトル問題」について研究。解読できる次元数により安全性の評価を行っており、世界ではじめて825次元の問題を解くことに成功したもの。
同機構では日立製作所と共同で、これまで利用されてきたアルゴリズムを改良し、パラメータを最適化したプログラムを開発。独ダルムシュタット工科大学の解読コンテスト「TU Darmstadt Lattice Challenge」に挑戦して、1年以上更新されていなかった世界新記録を塗りかえた。
解読には、「AMD Opteron 6276」を搭載する市販の汎用サーバを利用しており、5.5日で解読に成功したという。
「完全準同型暗号」を利用すると機密データの内容を知らせることなく計算作業を委託できる秘匿情報処理が行えるとされており、クラウドコンピューティングへの活用が期待されている。
今後もNICTでは実用化に向け、より高速な解読アルゴリズムの開発や、大規模な実験により安全性を検証を進めていく。
(Security NEXT - 2013/01/22 )
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