Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

海外からも侵入するUSBメモリ感染ウイルス

とはいえ話は単純ではない。「USBメモリ経由で感染するウイルス」として注目されているが、感染経路は必ずしもUSBメモリ経由ではない。先ほどの2008年のデータに戻ると、感染経路として「リムーバブルメディア経由」は10%で4位。「ウェブ経由」の53%を大きく下回っている。

一見矛盾するようだが、こうした結果となるのは多くのマルウェアがUSBメモリをターゲットにしているからだ。ワームに限れば、53.7%と半数以上にUSBメモリへの感染機能が備わっていた。インターネット経由で感染してからUSBメモリへさらに感染を拡大する。

「ウェブ経由の感染」「USBメモリ経由の感染」は、オンラインとオフラインのように一見相反するようだが、実際は密接な関係にあることがわかる。「感染経路」が「複数」あり、それぞれが補完しあっているような状況だ。

USBメモリ経由のウイルス感染の方がネットワークよりも厄介な点がある。ネットワーク内のPCであれば、一元管理によりセキュリティポリシーを保つことができるが、組織外部で利用されるUSBメモリについては、利用環境のセキュリティポリシーを技術的にコントロールしたり、確認することが難しい。

そのような環境からウイルスを持ち込まれた場合、組織内部ネットワークなどに与えるダメージも大きい。ひとたび入り込めば、USBメモリだけでなく、ネットワーク経由で広がってしまう。

(Security NEXT - 2009/01/26 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

課税調査中に個人情報含む資料を紛失 - 京都市
自治体向け資料に個人情報、図関連データとして内包 - 兵庫県
事務局内情報共有サイト、アクセス制限なく情報流出 - 岩手県
中等教育学校で受験生資料含むUSBメモリを紛失 - 新潟県
「WatchGuard Firebox」に脆弱性 - ゼロデイ攻撃が発生、更新や痕跡調査を
不正アクセスでトップページ改ざん、外部サイトへ遷移 - 文字起こしサービス会社
図書館サーバからスパム送信、更新時の未承認設定変更が影響 - 岡山県
まもなく年末年始、長期休暇前にセキュリティ総点検を
「Apache StreamPark」に暗号化などの脆弱性3件が判明
「OpenShift GitOps」に権限昇格の脆弱性 - クラスタ掌握のおそれ