トレンドマイクロ、不正ファイル検知にクラウド技術 - エージェント軽量化でグリーンITにも貢献
今回明らかとなった技術「ファイルレピュテーション」では、75%の定義ファイルをクラウド上へ移行し、ネットワーク経由で評価を実施する。ファイルのハッシュを利用するため、クライアントPCとクラウドサービス間で送受信するデータ量は片道平均約300バイト程度。
くわえて評価済みファイルやテキストなど危険をともなわないファイルではスキャンをスキップすることでネットワークリソースの浪費を抑えることができるとしている。
一方、ネットワーク経由で同社により処理されるデータは非常に大きなもので、すでに50億のリクエストに対応し、1日あたり処理されるデータも1.2Tバイトに上る。また16億のウェブサイトが評価用に登録されており、1日あたり新しいIPアドレスやURLが5000万件処理されているなど情報がクラウドへ集約されている。
プレゼンテーションを行った大三川氏は、今回の発表にあたり、顧客が利用する実際の環境でテストを実施した結果を明らかにした。
テストでは、定義ファイルによるウイルス検知と、ネットワーク上の振る舞いからマルウェアを検知する「Threat Discovery Appliance」を比較。後者が定義ファイル利用時に対し、約24倍の検出率を実現したなど大きな成果があったことを示し、さらにウェブサイトの評価を組み合わせることで、92%まで攻撃に対する防御が向上したという。
クラウド技術の活用で、定義ファイルがネット上で管理され、クライアントPCにインストールされるエージェントが軽量化されるため、古くなったPCの活用などグリーンITにも貢献するという。大三川氏は、すでにプレイステーション3向けサービスへ応用されており、ウェブ評価なども含め技術の一部が実用段階に入っていることを強調した。
大三川彰彦氏
(Security NEXT - 2008/11/12 )
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