Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

法務省のオンライン登記支援ソフトに不正なパスワードで復号できる脆弱性

法務省が、登記のオンライン申請のために提供している「登記申請書作成支援ソフトウェア」に脆弱性が見つかった。同省では問題を解消した「同V3.4C」を公開している。

登記を行った際、登記所から登記名義人へ「登記識別情報」として12桁の文字列が発行され、所有権移転など次の登記を行う際の本人確認に利用されるが、オンライン申請時に登記所より登記名義人に対して暗号化されて発行される「登記識別情報」を同ソフトで復号する際に不具合があり、本来設定したパスワード以外でも一部復号化できるという。

復号には登記名義人が登記所へデータを送付する際に添付する公開鍵とペアになる秘密鍵が必要で、さらに不正なパスワードについても、正しいパスワードから推測する必要があるため、同省では、「それぞれの情報が正しく管理されていれば復号されることはない」と説明している。

しかし、83の登記所で268通の登記識別情報をオンラインで発行しており、159人に影響があることから、同省では郵便や代理人を通じて登記名義人に対して事態を説明、謝罪する方針だ。また登記識別情報の失効や差し替えといった手続きを行うほか、関連物件の登記申請があった場合に慎重な審査を行うなど対応を強化するという。

さらに同省では、法務省や法務局など登記識別情報のパスワードなどを求めることはないとし、今回の脆弱性に便乗するなりすましなどに注意するよう呼びかけている。

法務省
http://www.moj.go.jp/

(Security NEXT - 2007/10/10 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

児童写真入りデジカメ紛失、宿泊学習後に気付く - 立山町
「ぐるなび」で不正ログイン - 対象会員のPWリセットを実施
登録者にフィッシングメール、メアド流出か - フォトクリエイト
「Apache Tika」のPDF解析に深刻な脆弱性 - 早急に対応を
露攻撃グループ、「Cisco IOS」旧脆弱性を悪用 - 制御システムにも関心
「Cisco IOS」脆弱性、公表から7年後も攻撃が継続
サーバに侵害の痕跡、個人情報流出の可能性 - 日本プラスト
国交省のコンテナ物流システムがスパムの踏み台に - 情報流出なし
楽天モバイルに行政指導 - 不正ログインで「通信の秘密」漏洩
iPhoneやMacなどApple製品の脆弱性悪用に注意喚起 - 米当局