Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

約2万7000ページがFTPアカウントを盗聴する「Gumblar.a」に感染 - Kasperskyまとめ

Kaspersky Labs Japanは、6月に同社ネットワーク「Kaspersky Security Network(KSN)」が検知したマルウェアなどの状況について取りまとめ、ランキングを発表した。

ファイルの実行時やインターネットからのダウンロード時にブロックされたマルウェアをまとめたオンアクセススキャナによるランキングの1位は、「DOWNAD」や「Conficker」といった名称でも知られる「Net-Worm.Win32.Kido.ih」で5月から変化がなかった。

さらに亜種である「Kido.jq」が9位、「Kido.ix」が14位に入っており、なかにはリムーバブルメディアを介して感染するものがあり、被害が広がっていると同社では見ている。

また同じくリムーバブルメディア経由で拡散する「Autorun」についても、「AutoRun.dui」が5位に、「AutoRun.rxx」が19位にランクインするなど、依然としてまん延が続いている。

一方、ウェブ経由で検知されたマルウェアについてまとめたランキングの1位は、一部で「GENOウイルス」などとも呼ばれている「Gumblar.a」だった。2万7103ページの感染を検知しており、2位と約2倍の差をつけるなど大きく突き放している。

同ウイルスは、感染ページにアクセスしたユーザーを悪意あるサイトに誘導し、脆弱性を悪用してコンピュータに悪意あるファイルをインストールするもので、感染すると検索結果の表示を改ざんする。くわえて、FTPアカウントを盗聴し、サーバに不正アクセスし、ファイルを改ざんし、感染を拡大する。

また3位には、同じ手法で感染を広げる「LuckySploit.q」が入った。これは難読化されたスクリプトで、ユーザーのブラウザ設定情報を暗号化して悪意あるサイトへ送り、その情報をもとに脆弱性を悪用してマルウェアをダウンロードさせるスクリプトを作成し、ユーザーに送り返すという。

マルウェアを配布しているサイトの国別ランキングを見ると、トップは中国で全体の56.41%と圧倒的に多い。次いでロシアが5.92%、米国が4.86%、インドが3.34%と続く。

オンアクセススキャナによるランキング

1位:Net-Worm.Win32.Kido.ih
2位:Virus.Win32.Sality.aa
3位:Trojan-Dropper.Win32.Flystud.ko
4位:Trojan-Downloader.Win32.VB.eql
5位:Worm.Win32.AutoRun.dui
6位:Trojan.Win32.AutoIt.ci
7位:Virus.Win32.Virut.ce
8位:Worm.Win32.Mabezat.b
9位:Net-Worm.Win32.Kido.jq
10位:Virus.Win32.Sality.z

ウェブアンチウイルスによるランキング

1位:Trojan-Downloader.JS.Gumblar.a
2位:Trojan-Downloader.JS.Iframe.ayt
3位:Trojan-Downloader.JS.LuckySploit.q
4位:Trojan-Clicker.HTML.IFrame.kr
5位:Trojan-Downloader.HTML.IFrame.sz
6位:Trojan-Downloader.JS.Major.c
7位:Trojan-Downloader.Win32.Agent.cdam
8位:Trojan.JS.Agent.aat
9位:Trojan.JS.Agent.aat
10位:Trojan.Win32.RaMag.a

(Security NEXT - 2009/07/02 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

2023年上場関連企業による個人情報事故は175件 - TSR
個人情報漏洩時の謝罪対応、約3割がマニュアル化
自治体におけるマイナンバー取扱状況を公表 - 個情委
Pマーク事業者の事故報告は3048件 - 前年度比約15%増
「サイバーセキュリティ」認知度5割届かず - 3割弱が対策未実施
テレワークで機密情報の特例持出が増加 - ルール遵守、半数近くが「自己確認」のみ
2021年度の個人情報漏洩などの報告は6000件弱 - 4件に1件が不正アクセス
国内上場企業が優先対処したいリスク、上位に「サイバー攻撃」
中小企業の3分の1、直近3年間のセキュ投資ゼロ - 「必要性を感じない」
ソフト全般「脆弱性」対策の必要性、PC利用者で約6割が認知