サイト改ざん、前年の2倍のペースで増加 - 狙われる「脆弱性」と「アカウント」
警察庁は、ウェブサイトの改ざんが前年の2倍を上回るペースで発生しているとして、注意を呼びかけている。
同庁によれば、2013年1月以降にウェブサイトの改ざんが増加傾向にあり、大きく分けると、「脆弱性が悪用されるケース」「FTPアカウントが乗っ取られるケース」の2種類だという。
前者は、ブログシステムなど「CMS」に存在する既知の脆弱性が悪用されたもので、1月から2月にかけて多数確認された。既存ファイルに対する改ざんではなく、不正なファイルがあらたに設置されるケースが多く、脆弱性が存在する旧バージョンの利用者が被害に遭った。
一方4月以降は、サイトのトップページに外部サイトへ誘導するiframeタグを挿入する改ざんが目立っているという。「FTP」のパスワードが窃取されたことにより不正アクセスが行われた事例が数例確認された。
同庁では、CMS利用の有無を確認し、利用している場合は利用バージョンの確認、および適切なアップデートを実施するよう推奨している。
さらにFTPアカウントを悪用されないよう、利用端末におけるマルウェア感染の防止や、アカウントの使い回しを避ける、不要なアカウントの削除といった対策の必要性を強調。ログの監視、アクセス制御、利用していない場合は、FTPサービスそのものを停止することも含め、対策を講じるよう呼びかけた。
また今回の注意喚起では、FTPそのものに関する問題については言及されていないが、FTPは、IDやパスワードを平文で送信し、盗聴される危険性が以前より指摘されている。
ウェブサイトの改ざん攻撃で猛威を振るったマルウェア「Gumblar」の一部亜種など、アカウントを盗聴する攻撃も発生しており、通信内容を暗号化するFTPSやSFTPへの変更など、あわせて検討することも求められる。
(Security NEXT - 2013/05/28 )
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