Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

サイバー攻撃で狙われ、悪用される「正規アカウント」

初期侵入経路を見ると、正規アカウントの不正利用が前年の16%から14ポイント増加して30%で最多。メール経由の攻撃が同じく30%の僅差で続く。前年からは11ポイントの減少となっており、順位が前年と逆転した。

また「MOVEit」「GoAnywhere」などのファイル転送ツールをはじめ、インターネットに公開されたアプリケーションの脆弱性が悪用されたケースも29%と高い割合を示している。日本ではVPN機器の脆弱性を悪用される事例が目立ったという。

同社が支援した業種を見ると、「製造業」が25.7%でもっとも多い。45%でマルウェアが使用されており、17%でランサムウェアが使用されていた。「金融、保険(18.2%)」が続く。

日本に絞ると「製造業」の割合が60%と突出。アジア圏を中心とする海外拠点におけるランサムウェア被害をはじめ、USBメディア経由のマルウェア感染、VPN経由の不正アクセスが多く見られた。

IBMコンサルティング事業本部サイバーセキュリティサービスにおいて理事パートナーを務める蔵本雄一氏は、今すぐ着手すべき対応として、インシデントレスポンスの優先度を高めることを挙げた。

侵入テストの実施や従業員教育などをはじめ、包括的なアプローチによりインシデントの発生確率を下げることを重要としつつも、、インシデントの発生をなくすことは難しいと指摘。対応体制を構築することの重要性を強調している。

(Security NEXT - 2024/03/28 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

6月はフィッシング報告が減少、証券関連影響 - URLは増加
すかいらーく「テクアウトサイト」 - クレカ情報流出の可能性
Pythonの「tarfile」モジュールにサービス拒否の脆弱性
Apple、「macOS Sequoia 15.6」など公開 - 脆弱性87件を修正
「iOS/iPadOS 18.6」で複数脆弱性を修正 - KEV掲載済みの脆弱性も
「oauth2-proxy」に認証バイパスの脆弱性 - アップデートで修正
こども園で園児情報含む教員用資料をアプリで誤配信 - 目黒区
フォームの設定不備、WS申込者情報が閲覧可能に - 東大付属中
大阪府サイトで公開したIR資料に個人情報を誤掲載 - 大阪市
ウェブサーバにバックドア、DBの個人情報が窃取被害 - 楽待