Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

国際連携でボットネット「QakBot」が解体 - 展開済みマルウェアに注意を

作戦を通じて米国内の20万台を含む70万台以上の感染端末を特定した。米連邦捜査局(FBI)では合法的なアクセス権限を取得し、「Qakbot」のボットネットトラフィックをFBIのサーバへ誘導。感染端末にアンインストーラをダウンロードさせ、「Qakbot」のコードを削除したほか、860万ドル以上の仮想通貨を押収したという。

「QakBot」のボットネットインフラは解体されたが、これまでボットネットを介して展開されたマルウェアの影響を軽減するものではないため注意が必要だ。感染端末からは、アカウント情報などを窃取されている可能性もある。

同ボットネットは、「Conti」「ProLock」「Egregor」「REvil」「MegaCortex」「Black Basta」といったランサムウェアの感染拡大に悪用されてきた経緯もある。

「QakBot」の感染は、他マルウェアの活動の前兆とも言えるため、米サイバーセキュリティインフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)と米連邦捜査局(FBI)では共同でアドバイザリを公表して注意喚起を行った。

8月までに観測してきた「QakBot」に関する「IoC(Indicators of Compromise)」情報を提供しており、システムの管理者などに対し、これら情報を活用してランサムウェアをはじめ、潜在するマルウェアを特定して適切に対処するよう呼びかけている。

(Security NEXT - 2023/09/01 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

「GitLab」のアカウント乗っ取る脆弱性、悪用が発生 - 米当局が注意喚起
小学校で個別書類あると気づかず身体測定結果を誤配布 - 名古屋市
個人情報含むファイルを県内自治体に誤送信 - 静岡県
廃棄物運搬事業者への事務連絡メールで誤送信 - 横須賀市
Dropboxの電子署名サービスに不正アクセス - 顧客情報が流出
開発言語「R」のデシリアライズ処理に脆弱性 - 修正版へ更新を
保守委託先で顧客情報含むHDDが所在不明 - はばたき信組
サポート詐欺被害で情報流出の可能性 - 高齢・障害・求職者雇用支援機構
「改訂新版セキュリティエンジニアの教科書」が発売 - 日本シーサート協議会
QNAP製NASやアドオンに脆弱性 - 旧アドバイザリも更新、影響大きい脆弱性を追加