Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

ウェブメールの既知脆弱性が標的に - APT28が悪用

サイバー攻撃グループが、ウェブメールで広く利用される「Roundcube Webmail」の既知の脆弱性を悪用し、ウクライナ政府に対して攻撃を展開していたことがわかった。

「Roundcube Webmail」はオープンソースのIMAPクライアント。ブラウザよりメールの送受信が行えるいわゆる「ウェブメール」として広く利用されている。攻撃グループ「APT28」の活動を調査する過程で脆弱性を悪用する攻撃を確認したとしてウクライナのコンピューター緊急対応チームであるCERT-UAが報告した。

「APT28」は、「Fancy Bear」「Sednit」「Sofacy」「Tsar Team」「Pawn Storm」「STRONTIUM」などの別名でも知られるサイバー攻撃グループで、少なくとも2007年より活動を展開。ロシアの関与が指摘されている。

CERT-UAが、不正な通信が行われた端末のユーザーが利用するメールボックスの調査を行っていたところ、5月12日に受信したニュース記事を装ったメールに、クロスサイトスクリプティング(XSS)の脆弱性「CVE-2020-35730」を悪用するJavaScriptを確認した。

さらに追加で読み込まれるスクリプトにより、「SQLインジェクション」の脆弱性「CVE-2021-44026」を展開するほか、「CVE-2020-12641」によりメールサーバ上でコマンドを実行しようと試みていた。

(Security NEXT - 2023/06/23 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

教員採用選考受検者の自己申告用紙が所在不明に - 新潟県
他県で実施した中学校自然教室で生徒名簿が所在不明に - 横浜市
誤った住所へ会員証を送付、システムトラブルで - JAF
Salesforceのローコード開発ツールに脆弱性 - 設定リスクの指摘も
構成管理ツール「Salt」に複数脆弱性 - 「クリティカル」も
MDMサーバから従業員情報流出、削除データも - ジブラルタ生保
「Kibana」に深刻な脆弱性 - 「Chromium」の既知脆弱性に起因
ファッション通販サイトに不正アクセス、通知メールが送信
サイバー攻撃で元従業員情報が流出した可能性 - クミアイ化学工業
「IBM i」のFAX機能に権限昇格の脆弱性 - 修正パッチを提供