Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

警察庁、2021年上半期に61件のランサム被害把握 - 目立つVPN経由の感染

2021年上半期に警察庁が把握したランサムウェア被害は61件だった。2020年下半期の21件から約3倍に増加している。VPNやリモートデスクトップ経由の攻撃が目立っている。マルウェア対策ソフトがバックアップや有効に機能しなかったケースも多い。

警察庁が2021年上半期における脅威動向を取りまとめたもの。同期に都道府県警察より同庁へ報告があったランサムウェア被害は61件。前期の21件を大きく上回った。

20210910_np_001.jpg
ランサムウェア被害に遭った企業の規模(グラフ:警察庁)

被害全体のうち、警察として金銭の要求が確認できたケースは35件。このうち77%にあたる27件は、暗号化にくわえて窃取したデータを公開するなどと脅すいわゆる「二重脅迫」の手口だった。

また被害全体のうち、29件では直接的に金銭が要求されていた。26件では暗号資産で支払うよう指定されており、残りは米ドルで要求されていた。

被害企業の規模を見ると、17件が大企業、40件が中小企業となっており、業種を見ると「製造業」が27件で44%と半数近くにのぼり、「建設業」と「サービス業」がそれぞれ8件。「卸売り、小売業」が7件だった。

(Security NEXT - 2021/09/10 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

「Cobalt Strike」不正利用対策で国際作戦 - 攻撃元IPアドレスを封鎖
6月の脆弱性悪用リスト「KEV」への登録は9件
約3割が過去3年間にサイバー攻撃の被害経験 - ランサムは3.8%
先週注目された記事(2024年5月12日〜2024年5月18日)
まもなくGW - 長期休暇に備えてセキュリティ対策の再確認を
個情委、人事労務サービスのMKシステムに行政指導 - 報告は3000件超
初期侵入から平均62分で横展開を開始 - わずか2分のケースも
サイバー攻撃で狙われ、悪用される「正規アカウント」
JPCERT/CCが攻撃相談窓口を開設 - ベンダー可、セカンドオピニオンも
警察庁が開発した「Lockbit」復旧ツール、複数被害で回復に成功