「Exchange Server」脆弱性、ランサムウェア「DearCry」の標的に
「Microsoft Exchange Server」に深刻な脆弱性が明らかとなった問題で、脆弱性が解消されていないサーバを侵害してランサムウェア「DearCry」が展開されていることがわかった。
マイクロソフトが、あらたなランサムウェア「Win32/DoejoCrypt.A」を検知したことを明らかにしたもの。ファイルヘッダに「DEARCRY」との文字が埋め込まれていることから、別名「DearCry」と名付けられており、拡張子に「.CRYPT」を追加する特徴が見られる。
「Microsoft Exchange Server」に対し、脆弱性を用いて「Webシェル」を展開、ラテラルムーブメントにより侵害したシステムから認証情報を窃取したのち、攻撃者によって手動で展開されたものとマイクロソフトでは見ている。
MalwareHunterTeamのMichael Gillespie氏は、3月9日ごろより被害報告が寄せられていることをTwitterにて明らかにした。マルウェアを解析したPalo Alto Networksによれば、同ランサムウェアは、特定の拡張子を持つファイルを暗号化しており、対象となる拡張子は少なくとも70種類以上に及ぶという。攻撃者が残す脅迫文に金額や送金先の指定はなく、指定のメールアドレスへ連絡を取るよう求めていた。
またSophosは、同ランサムウェアは暗号化にあたり、バイナリ内に保存された「公開鍵暗号」を利用していると分析。コマンド&コントロールサーバよりキーを取得することなく、暗号化が可能であると指摘している。
マイクロソフトでは、「Microsoft Defender」にランサムウェアの対策を追加。あわせて「Microsoft Exchange Server」のアップデートを呼びかけている。
(Security NEXT - 2021/03/16 )
ツイート
PR
関連記事
廃棄カルテが一般ゴミに紛れる、搬送中に飛散 - 薩摩川内市
職業性曝露事故の関係者情報含むUSBメモリが所在不明 - 秋田大病院
メルアカ乗っ取り被害、スパム送信の踏み台に - MaOI機構
RSSフィードが改ざん、外部サイトのリンク混入 - リョーサン菱洋HD
ZohoのExchange監視ツールに深刻な脆弱性 - アップデートを
「Erlang/OTP」「RoundCube」の既知脆弱性が標的に - 米当局が注意喚起
情報セキュリティ教室の参加者一覧が閲覧可能に - NII
採用職員の健診関連情報含む名簿を誤送信 - 奈良県
クレカ不正利用、前四半期比2割増 - 200億円迫る勢い
QNAP、アドバイザリ9件を公開 - 複数脆弱性を修正