標的型攻撃のレスキュー支援、2020年上半期は45件
2020年度上期にサイバーレスキュー隊「J-CRAT」へ寄せられた標的型攻撃に関する相談は205件だった。そのうち45件に対してレスキュー支援が行われている。
サイバーレスキュー隊「J-CRAT」は、標的型攻撃による被害の低減などを目的に情報処理推進機構(IPA)が2014年7月に設置した組織。同期間中に「標的型サイバー攻撃特別相談窓口」へ寄せられた相談や対応状況について取りまとめた。
同窓口に寄せられた相談は205件で、2019年下半期の171件から増加。レスキュー支援の対象となったケースは45件で、隊員を派遣するオンサイト支援は5件だった。支援対象は59件だった2019年下半期を下回ったが、オンサイト支援は2件から増加している。
2020年上半期は、2019年12月中旬より観測されているマルウェア「LODEINFO」を用いた攻撃が2020年8月にかけて断続的に確認された。安全保障や外交、メディアの関係者を対象にメールを通じて展開されているという。
「LODEINFO」はファイルの窃取や外部よりファイルをダウンロードし、実行する機能などを備えたマルウェア。攻撃対象分野や初期の侵入手法に大きな変化は見られなかったが、画面キャプチャやキーロガーなど機能の強化が見られた。

相談やレスキュー支援の件数(発表をもとに作成)
(Security NEXT - 2020/12/02 )
ツイート
関連リンク
PR
関連記事
国内インシデント、前四半期比9.4%増 - サイト改ざんが1.8倍
LinuxカーネルのUSBオーディオドライバ脆弱性 - 攻撃の標的に
IPA、「情報セキュリティ10大脅威 2025 組織編」の解説書を公開
「セキュリティ10大脅威2025」 - 「地政学的リスク」が初選出
2024年4Qのインシデントは約8%増 - 「FortiManager」脆弱性の侵害事例も
北朝鮮による暗号資産窃取に警戒を - 日米韓が共同声明
中国関与が疑われる「MirrorFace」の攻撃に注意喚起 - 警察庁
先週注目された記事(2024年11月3日〜2024年11月9日)
3Qのインシデントは2割減 - ただし「サイト改ざん」は倍増
2Qはインシデントが約8.5%増 - フィッシングが増加