Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

「CAPTCHAテスト」を感染者に肩代わりさせるウイルスを確認 - Dr.Webレポート

ネットフォレストは、Doctor Webが8月に観測したウイルスなどの傾向について取りまとめた。開発環境「Delphi」に感染するウイルス「Win32.Induc」の拡散や、SNSサイトを悪用した攻撃の増加など報告している。

レポートによれば、8月には開発環境「Delphi」に感染するウイルス「Win32.Induc」の拡散が目立った。感染した環境上でコンパイルされたあらゆるプログラムが感染し、オンラインソフトの配布サイトなどで公開されたことから話題になった。

同ウイルスは感染活動以外は特に目立った行動は確認されていないが、同ウイルスの感染拡大方法がほかのウイルスに利用される可能性もあるとして、Dr.Webでは対策を呼びかけている。

このほか8月には、「Twitter」や「Facebook」などのSNSサイトを悪用した攻撃が引き続き確認されている。投稿メッセージから不正サイトへ誘導し、動画コーデックを偽装したマルウェアをダウンロードさせる「Win32.HLLW.Facebook」の亜種「Win32.HLLW.Facebook.194」では、ウェブサービスに新規登録する際に求められる「CAPTCHAテスト」を、感染したユーザー自身に行わせるという新しい技術が確認された。

また、Adobe Flash Playerのアップデートを偽装したマルウェア「Adware.FF.1」や、Skypeの音声データを盗聴する「Trojan.SkypeSpy」、請求書の添付ファイルを偽装した「Trojan.Botnetlog.11」などが確認された。

同社がまとめたウイルスの検出状況は以下のとおり。

メールサーバ上の検出ウイルスランキング

1位:Win32.HLLM.Beagle
2位:Win32.HLLM.Netsky.35328
3位:Trojan.DownLoad.36339
4位:Trojan.PWS.Panda.122
5位:Win32.HLLM.MyDoom.based
6位:Trojan.MulDrop.19648
7位:Trojan.Botnetlog.9
8位:Win32.HLLM.MyDoom.33808
9位:Win32.HLLM.MyDoom.44
10位:Win32.HLLM.Netsky.based

ユーザーPC上の検出ウイルスランキング

1位:Trojan.WinSpy.173
2位:Win32.HLLW.Gavir.ini
3位:Trojan.PWS.Panda.122
4位:Win32.HLLW.Shadow.based
5位:Win32.HLLM.Beagle
6位:Win32.HLLM.Netsky.35328
7位:DDoS.Kardraw
8位:Trojan.MulDrop.16727
9位:Win32.HLLM.MyDoom.49
10位:Win32.Alman

(Security NEXT - 2009/09/11 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

2023年上場関連企業による個人情報事故は175件 - TSR
個人情報漏洩時の謝罪対応、約3割がマニュアル化
自治体におけるマイナンバー取扱状況を公表 - 個情委
Pマーク事業者の事故報告は3048件 - 前年度比約15%増
「サイバーセキュリティ」認知度5割届かず - 3割弱が対策未実施
テレワークで機密情報の特例持出が増加 - ルール遵守、半数近くが「自己確認」のみ
2021年度の個人情報漏洩などの報告は6000件弱 - 4件に1件が不正アクセス
国内上場企業が優先対処したいリスク、上位に「サイバー攻撃」
中小企業の3分の1、直近3年間のセキュ投資ゼロ - 「必要性を感じない」
ソフト全般「脆弱性」対策の必要性、PC利用者で約6割が認知