一部国内のNASやEMSがサイバー攻撃の踏み台に - ビデオレコーダー利用者も注意を
国内において、デジタルビデオレコーダーやネットワークストレージ、エネルギー管理システム(EMS)などが、脆弱性攻撃の踏み台となっている。7月に急増した中国製ルータに対する攻撃に利用されていたという。

UDP53413番ポートに対する攻撃状況(グラフ:警察庁)
警察庁が、同庁の観測システムにおいて、「UDP53413番ポート」に対するアクセスの急増を観測したもの。
Netis(Netcore)製のルータへログインしたり、不正プログラムの実行などを試みる攻撃で7月23日より急増した。
同庁によると、7月に急増した同ポートに対する攻撃では、日本国内を発信元としたアクセスも多数存在したという。さらにこれらの発信元のIPを調べたところ、デジタルビデオレコーダーやネットワークストレージ、エネルギー管理システム(EMS)が運用されており、攻撃の踏み台に悪用されたと見られている。
攻撃対象となっているルータの脆弱性は、比較的古く2014年8月に公表されたもの。WAN側から同ポートへ接続が可能となっており、パスワードがハードコードされていた。ルータ上で任意のコマンドを実行されるおそれがある。
翌9月に脆弱性へ対応するファームウェアがリリースされているが、これまでもたびたび同ポートを狙った攻撃が確認されており、セキュリティ機関やベンダーが注意を呼びかけてきた。
NRIセキュアテクノロジーズが、2015年に同社提供サービスにおいてファイアウォールでブロックした通信では、3.5%が同ポートに対するアクセスで、プロトコル別に見ても5番目に多かったことがわかっている。
(Security NEXT - 2016/09/01 )
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