Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

Flashゼロデイ攻撃、APTグループ「ScarCruft」関与か - EMETで回避可能

「Adobe Flash Player」に深刻な脆弱性「CVE-2016-4171」が存在し、ゼロデイ攻撃が発生している問題で、同脆弱性を報告したKaspersky Labは、APTグループ「ScarCruft」との関連性を示唆した。

問題とされる脆弱性「CVE-2016-4171」は、「同21.0.0.242」および以前のバージョンに存在する脆弱性。6月15日時点でセキュリティアップデートは提供されておらず、Adobe Systemsが開発中だ

同社は、今回の脆弱性をAdobe Systemsへ報告したことに触れ、Adobe Systemsによるセキュリティアップデートの公開まで詳細は明らかにできないとした上で、今回の攻撃が標的型攻撃で悪用されているとし、APTグループ「ScarCruft」との関係をほのめかした。

同グループは、ロシア、ネパール、韓国、中国、インド、クウェート、ルーマニアなどに向けて攻撃を展開するAPTグループ。Kasperskyは、3月に修正されたAdobe Flash Playerの「CVE-2016-1010」なども同グループの標的型のゼロデイ攻撃に利用されたと見ている。

同グループが、「Daybreak作戦」「Erebus作戦」といった活動を展開中であると同社は指摘。「Erebus作戦」では、「Adobe Flash Player」の脆弱性「CVE-2016-4117」や、MS XMLコアサービスにおける「CVE-2016-0147」などを用いた攻撃を展開した可能性もあると説明している。

未修正の脆弱性「CVE-2016-4171」については、アップデートの提供までゼロデイ状態となるが、マイクロソフトの脆弱性緩和ツール「Enhanced Mitigation Experience Toolkit(EMET)」により攻撃を回避できることを確認したという。

(Security NEXT - 2016/06/15 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

「OpenSSH」の脆弱性「regreSSHion」、40以上のCisco製品に影響
「Cisco IOS XR」に脆弱性、「Blast-RADIUS」の影響は調査中
日米豪など8カ国が共同署名 - 中国関与の「APT40」へ対抗
国内狙う攻撃キャンペーン「Blotless」 - 再侵入防ぐ対策を
Phoenix製「UEFI」に脆弱性 - TPM保護を回避されるおそれ
「Foxit PDF Reader」の警告画面に問題 - 悪用する攻撃も
Cisco、アドバイザリ6件を公開 - 「Firepower 」などの脆弱性を修正
先週注目された記事(2024年4月21日〜2024年4月27日)
国家関与のサイバー攻撃「ArcaneDoor」 - 初期侵入経路は不明、複数ゼロデイ脆弱性を悪用
国内でも被害発生、「ColdFusion」の既知脆弱性狙う攻撃