重要施設に感染拡大する「NetTraveler」が「Java」の脆弱性を悪用
官民の重要施設を狙い、40カ国以上で被害が拡大している「NetTraveler」に関して、あらたな攻撃が確認された。6月に公表されたJavaの脆弱性を悪用しており、高い成功率を誇っているという。
「NetTraveler」は、標的型攻撃を行うためのツールキット。「Travnet」や「Netfile」「Red Star APT」といった別名でも知られており、ファイルやキー操作ログ、システムリストなどを盗み出す。
2004年より活動する古いマルウェアだが、2010年より感染活動が活発化。航空宇宙、エネルギー、通信分野などさまざまな重要施設を狙い拡大し、感染国は、日本や米国のほか、40カ国以上にのぼっている。
露Kaspersky Labが6月に活動状況を報告して注目を集めたが、当時の攻撃では、「Officeファイル」を利用しており、1年以上前に公表された古い脆弱性を悪用している。
これまで「ゼロデイ攻撃」は確認されていないものの、あらたな攻撃では、2013年6月に公開されたJavaの脆弱性を悪用。高い確率で攻撃を成功させているという。感染は、標的型攻撃メールにくわえ、ドライブバイダウンロード攻撃によりウェブ経由で拡大。また別のエクスプロイトに統合された可能性も指摘されている。
同社では、同マルウェアへの対策として、「Java」や「Office」「Adobe Reader」を最新版へアップデートし、ブラウザについては「Internet Explorer」ではなく、アップデートの頻度が多い「Chrome」の活用を紹介。メールの添付ファイルを開かないよう注意を呼びかけている。
(Security NEXT - 2013/09/05 )
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