トレンドマイクロ、国内クラウドセキュリティ市場のトップ狙う - 専任営業部隊やエンジニアも設置
トレンドマイクロは、クラウドセキュリティを主軸に据えた戦略を加速させる方針だ。クラウドパートナーを拡大し、認定エンジニアを800人体制に成長させ、国内シェアトップを狙う。
3月24日に開催した記者向けの戦略発表会で明らかにしたもの。同社代表取締役社長兼CEOのEva Chen氏は、クラウド需要の拡大に触れ、「従来企業はネットワークの境界で防御してきたが、今後5年から10年で境界がなくなる」と市場の変化を説明した。
トレンドマイクロ代表取締役社長兼CEOのEva Chen氏
同氏は、「トレンドマイクロは、もはやウイルスバスターだけの会社ではない」とし、23%のシェアを持つサーバセキュリティ製品分野をはじめ、スマートフォンを含むエンドポイトの防御や制御、クラウド上におけるデータ保護、クラウドアプリケーションの防御など、クラウド環境に適した製品ラインナップを揃えていることをアピールした。
クラウドにおける「インフラ」「エンドポイント」「データ防御」「アプリケーション防御」というこれら4つの柱にくわえ、セキュリティマネージメントサービスあわせた市場は301億ドル規模になると指摘。
同社が従来注力してきた80億ドルのマルウェア対策市場の4倍へビジネスチャンスが広がるとして、MicrosoftやIBM、仮想化ベンダーなど提携関係を活用しながらクラウドセキュリティ市場へ注力していくことを示した。
また同社取締役エグゼクティブバイスプレジデントの大三川彰彦氏は、日本市場におけるクラウドセキュリティのトップを目指すとし、新製品を投入していくことを明らかにした。
トレンドマイクロ取締役エグゼクティブバイスプレジデントの大三川彰彦氏
クラウド事業者なども採用している総合サーバセキュリティソリューションである「Trend Micro Deep Security」ついては、次期バージョンである「同8.0」を第4四半期に投入する予定だ。
またAndroid搭載スマートフォン向けのセキュリティ対策としては「Trend Micro Mobile Security」を海外で発表しており、国内においても企業向け製品を2011年第3四半期、個人向け製品についてもリリースの準備を整えている。
一方データ防御については、情報漏洩対策製品「Trend Micro Data Loss Prevention」の新バージョンを3月に投入するほか、今後、クラウド上のデータを暗号化によって保護する新製品「Trend Micro SecureCloud(仮称)」を第2四半期に発売する計画。
クラウド事業者との協業強化など販売チャネルにも力を入れており、クラウドサービスに特化した「テレコムアンドクラウド営業部」を新設したほか、クラウドに特化したエンジニア部隊を配置した。
また同社では2010年から展開している「認定ソリューションパートナープログラム」では、14社のパートナーと認定エンジニア450人を認定しているが、2011年中に20社、800人体制まで拡大していくという。
(Security NEXT - 2011/03/28 )
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