Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

ショートカットのゼロデイ脆弱性狙うワーム - 監視制御システムのDBを攻撃

ショートカットの検証を正しく行わない「Windowsシェル」の脆弱性について、マイクロソフトは17日にアドバイザリを公表した。同社ではセキュリティ更新プログラムの開発を進めているが、すでにゼロデイ攻撃が発生しており、ワーム「W32.Stuxnet」が約60カ国で確認されている。

同ウイルスは、感染経路としてインターネットを利用しないものの、共有フォルダやUSBメモリなどリムーバブルメディアを通じて広がるおそれがある。従来よりオートラン機能を利用するケースが報告されているが、今回の攻撃では脆弱性が悪用されており、「autorun.infファイル」を必要としないのが特徴で、オートラン機能を組み合わせることでより効果的な感染活動が行われるおそれがある。

シマンテックによれば、感染するとルートキット機能により感染元のリムーバブルファイルからコピーされたファイルが隠蔽される。さらにiexplore.exeへコードを注入し、信頼されたアプリケーションとして外部との通信を行う。

複数の機能が確認されているが、今回のウイルスはグローバル展開する大手企業をを狙ったものと見られており、Siemens製ソフト「Step 7」のライブラリファイルを利用して監視制御システムのデータベースへアクセスするケースが確認されている。同攻撃では、あらかじめ用意したユーザーネームやパスワードなどを利用していたという。

感染状況は、インドが約4割、インドネシアが3割強、イランが2割強全体の9割を占めている。ただし、数は少ないものの約60カ国で感染が確認されており、拡大が懸念されている。

(Security NEXT - 2010/07/20 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

米政府、「Exchange Server」脆弱性で緊急指令 - 週末返上での対応求める
「JWE」のRuby実装に深刻な脆弱性 - 総当たり攻撃のおそれ
「Exchange Server」のハイブリッド構成に深刻な脆弱性 - MSが定例外パッチ
「Azure」や「MS 365 Copilot BizChat」に深刻な脆弱性 - 対応は不要
「HashiCorp Vault」のLDAP認証で多要素認証バイパスのおそれ
「Dell PowerProtect Data Domain」に複数脆弱性 - 重要度「クリティカル」
「NVIDIA Triton Inference Server」に複数の深刻な脆弱性
「Trend Micro Apex One」脆弱性でセキュリティ機関も注意喚起
「Trend Micro Apex One」に脆弱性、攻撃も発生 - パッチは8月中旬
プロキシサーバ「Squid」に深刻な脆弱性 - アップデートで修正