Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

「ツークリック詐欺」の請求額は5万円を割る価格

しかしながら「八萬円」などとあえて漢数字を利用したり、途中に改行を入れるなど視認性を低くし、アクセスしたユーザーが気が付きにくいよう工夫。さらに一部コンテンツを表示することにより、サービスを利用したという既成事実を作り、「よく確認しなかった自分が悪い」と錯誤させ、泣き寝入りさせる。

090714tm2.jpg
購入の意志を確認するアラート。年齢認証としながら、よく読むと「八萬円で閲覧する方はお進みください」と書いてある。

価格表記など法律を意識しており、実際にこうしたウェブサイトの行為が詐欺罪にあたるかは判断が難しいという。とはいえ、ウェブサイトを表示した時点でPCを不正操作するマルウェアのダウンロードを開始するなど悪質。

ワンクリック詐欺サイトなどは7時間で消滅するなど変化が激しいが、今回例として紹介されたツークリックサイトは、法律への対策を施してあるためかどうかは不明だが、依然として活動を続けているという。

こうした詐欺の大きな特徴は、アダルトやドラッグなど、他人には相談しにくい内容であること。トラブルに巻き込まれるよりも、金銭で丸く収めようと思わせる支払い可能な金額「5万円を切る価格」の設定もポイントとなっている。

また説明や規約、契約内容など、ダイアログなどをよく確認せずに操作を行ってしまう消費者行動につけ込むほか、個人を特定したかのような画面表示や「請求画面が消えない」といったパニックを誘う作りも特徴的だ。

夏休みなど子どもがウェブサイトを閲覧する機会も増加する時期を迎える。セキュリティ対策ソフトなどは進化しているものの、一番変化していないのは「人間」にあると、こうしたソーシャルエンジニアリングといった攻撃に注意するよう呼びかけている。

(Security NEXT - 2009/07/14 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

「不正ログイン」相談が約1.5倍 - 「偽警告」は関係者逮捕で減少するも限定的
Amazon関連ドメイン取得、3週間で700件以上 - プライム感謝祭を標的か
顧客情報含む電子媒体を紛失、定期チェックで判明 - 三井住友信託銀
メールセキュ製品「Libraesva ESG」に脆弱性 - すでに悪用も、国家関与か
先週注目された記事(2025年9月21日〜2025年9月27日)
都委託先でサポート詐欺被害 - 個人情報流出のおそれ
個人情報約60万件が詐欺グループに - 個情委が名簿事業者に行政指導
夏季休暇に備えてセキュリティ対策の見直しを
2Qの個人「サポート詐欺」相談は912件 - 検挙後に減少
大音量で煽る「サポート詐欺」の被害、端末内部に学生情報 - 名大