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「WannaCrypt」の復号キーをメモリから取得する「WannaKey」

ランサムウェア「WannaCrypt」の復号キーを取得するツール「WannaKey」が公開されている。運良く条件が揃えば復号が可能だという。

同ツールは、「WannaCrypt」のプロセスが動作するメモリ上から、暗号化の際に用いられたRSA秘密鍵の素数を回復するソフトウェア。セキュリティ研究者のAdrien Guinet氏が公開した。

「Windows XP」「Windows Vista」および32ビット環境の「Windows 7」のほか、「Windows Server 2008」「Windows Server 2003」で動作を確認しており、運良く条件が揃えば復号キーを取得できるとしている。

同ツールの説明によれば、「WannaCrypt」では、メモリを解放する以前に暗号化に用いた素数をメモリ上から削除しないため、メモリ上に素数が残っていれば、同ソフトを用いて取得できるという。

マルウェア作成者のプログラムミスによるバグではなく、暗号化に用いるWindows APIの仕様に起因するもので、「Windows 10」では、メモリ上から削除されていた。

同ツールは、5月の19日に公開されて以降、バージョンアップを重ねており、現地時間5月21日には、最新版となる「同2.0」が登場。自動的に暗号化プロセスのPIDを取得できるようになっている。

(Security NEXT - 2017/05/22 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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