Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

新gTLDと組織内「勝手TLD」の衝突に注意を - 情報漏洩などのリスクも

日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は、組織内部のネットワークで独自にドメイン名を導入している場合、あらたに導入されるgTLDと重複する可能性があり、トラブルが生じるおそれがあるとして注意を呼びかけている。

ICANNが、あたらしい「gTLD(一般トップレベルドメイン)」の委任を2013年10月から順次開始しており、今後利用が進む一方、DNSにおける「名前衝突」のリスクが高まるとして、同センターが設置した「新gTLD大量導入に伴うリスク検討・対策提言専門家チーム」では報告書を取りまとめ、注意を呼びかけたもの。

「gTLD」は、従来22種類と限られており、TLDに存在しないドメインであれば、組織内部のネットワークで独自に「勝手TLD」を用いても、名前解決に不具合は生じなかったが、あらたに1300を超えるgTLDが追加されるため、独自に導入していたドメイン名が「gTLD」と重複し、正しく名前解決できなくなるおそれがある。

20140609_jp_001.jpg
新gTLD導入の影響(図:JPNICの資料より)

具体的には、内部サーバなどへのアクセスしたつもりが、インターネット上のサーバにアクセスするなど、利用者の意図とは異なるアクセスが生じ、サービスが利用できなくなったり、情報漏洩につながるおそれもある。

たとえば、あらたに導入されるgTLDの一部を見ただけでも、「.zone」や「.services」「.wiki」「.events」「.support」「.company」など、組織内で利用しやすいドメインも多い。「gTLD」は、今後も追加される計画で、さらにリスクが高まることが予測されており、JPNICでは注意を呼びかけている。

(Security NEXT - 2014/06/09 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

2月のDDoS攻撃件数、前月の約1.2倍に - 71Gbps超の攻撃も
「BIND 9」に複数脆弱性 - 影響範囲広く緊急対応を
MS、2月の月例セキュリティ更新をリリース - ゼロデイ脆弱性2件に対応
2023年12月のDDoS攻撃、前月比3割減 - 規模も縮小
DDoS攻撃が大幅減 - 一方で約147Gbps超の攻撃も
【特別企画】導入進む「DMARC」、一方で不安も - トラブル回避のコツは?
9月に399件のDDoS攻撃を観測、前月比1割減 - IIJレポート
「CODE BLUE 2023」のタイムテーブル - 脆弱性関連の講演充実
「BIND 9」に複数の脆弱性 - アップデートが公開
研究者が脆弱性「TunnelCrack」を発表 - 多くのVPNクライアントに影響