Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

2014年2QのDDoS攻撃は前四半期から減少傾向 - 一方で巧妙な攻撃も

2014年第2四半期は、DDoS攻撃が前四半期からやや減少したことがわかった。一方でサーバをボット化し、検出を逃れる高度なDDoSキャンペーンが発生しているとして専門家は注意を呼びかけている。

米Akamai Technologiesが、子会社の米Prolexic Technologiesによる2014年第2四半期のレポートとして取りまとめたもの。

前四半期と比較し、DDoS攻撃は0.2%減少、平均攻撃帯域幅については14%縮小したほか、平均ピーク帯域幅は36%減となった。平均攻撃時間は、17.38時間から17.35時間へ短縮。またアプリケーションレイヤーへの攻撃についても15%下回ったという。

一方、前年同期との比較では、攻撃総数や平均攻撃帯域幅がそれぞれ22%、72%と増加。平均ピーク帯域幅に至っては2倍以上と拡大しており、予断を許さない状況だ。

また同四半期は、サーバをボットとして利用するDDoSキャンペーンが確認された。サーバをボット化して利用するケースは、高度かつ慎重に組織化されており、検出を逃れるしくみも備えているという。

「Linux」「Apache」「MySQL」「PHP」が動作するいわゆる「LAMP」環境や、「Windows Server」を提供するクラウドサービス、脆弱性を備える「WordPress」「Joomla」といったCMS、およびプラグインが標的とされており、悪用されていた。

今回のレポートを受けて、Akamaiのシニアバイスプレジデント兼セキュリティ部門でゼネラルマネジャーを務めるStuart Scholly氏は、DDoS攻撃が引き続き多発していると指摘。データセンター全体を無力化することも可能な状態であるとして警告を発している。

(Security NEXT - 2014/07/24 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

国内インシデント、前四半期比9.4%増 - サイト改ざんが1.8倍
DDoS攻撃は減少するも、2カ月連続で300件超 - IIJレポート
IIJ、「Mirai亜種」解析ツールを無償公開 - C2や感染傾向を可視化
IPA、「情報セキュリティ10大脅威 2025 組織編」の解説書を公開
DDoS攻撃が前月比1.5倍、5カ月ぶりに300件超 - IIJレポート
DDoS攻撃に注意喚起、発生を前提に対策を - 政府
DDoS攻撃の観測数は微増、最大規模で約12Gbps - IIJ報告
「セキュリティ10大脅威2025」 - 「地政学的リスク」が初選出
2024年4Qのインシデントは約8%増 - 「FortiManager」脆弱性の侵害事例も
天気情報サイト「tenki.jp」にDDoS攻撃 - 断続的に障害